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「名乗ればなれる」のを知っているのに、「漫画家」だけなぜか名乗れなかった私。

一部のフリーランスや起業家の中で、常識のように語り継がれるジンクスがある。

それは「名乗ればなれる」というもの。

経験の浅い内から、なんならまだ仕事としてお金も頂いていない内でも、その職業名・肩書きを名乗ってしまう。
すると不思議なことに、本当に仕事が来るようになるし、気づけばその職業に「なれている」のだ。

※資格を必要としないものに限る。資格がないと名乗れない職業を名乗るのは詐欺なので。

わたしも実際、「こんなレベルで堂々と名乗っていいの?」という段階からイラストレーターもライターも心理カウンセラーも名乗り、仕事や申込みが増え、いま堂々と「職業」にしている。

なのに、一番なりたい職業であったはずの「漫画家」だけは、ずっと名乗れなかった。

***

友人に「何で名乗れないの?」と聞かれてハッとした。

わたしは「漫画家と名乗っていい」ハードルを勝手に自分で決めている。

雑誌で連載を持っている人。
あるいはウェブ上の漫画配信サービスで連載をしている人。
漫画で定期的な収入(月平均で万単位)を得ている人。
などなど。

しかし友人は言った。

「SNSで自分の漫画を載せている人は、わたしから見たら全員が漫画家に見える。
巴さんのこともわたしは前から漫画家だと思っている」

わたしは、世界にそんな風に言ってくれる人がいるとは知らなかった。
いや、いたのに、自分から否定していたのだ。

「いいえ、わたしは漫画家じゃないです」と。

***

自分の描く漫画にお金を払っていただいたことは何度もある。
広告用の漫画を描いているから。
それでもわたしは、「漫画家」と名乗れなかった。

漫画で数回お金をもらった程度でプロなんておこがましい、と無意識に思っていたから。

どうしてだろう。
イラストレーターも、ライターも、カウンセラーも、仕事を数回受けただけで名乗れていたのに。

「広告漫画と創作漫画は違う」という意識もあったのかも知れない。
なんだその選民意識は。アホじゃないのか。

***

自分で自分を勝手に縛り付けて不自由にしている気がしたので、手っ取り早くTwitterの肩書きに「漫画家」とつけた。

そんな風にはまったく見えないかも知れないが、正直言って緊張している。

ああでも、この緊張感が、「本当の職業にする」ためのプレッシャーになるんだな。

「名乗ったからには、名乗れるレベルになってやろう」というプレッシャー。

わたしはそうして今までの職業を得てきたのか。そうか。

じゃあ、やってやろうじゃねえか。


【追記】
この時から半年ちょい、現在2021年6月中旬。
毎日、鬼のように漫画を描いている。
漫画の仕事も以前より増えました。

名乗れば本当になれるんだ……。

っていう話をブログに書いたので、よろしければあわせてお読みください。
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伊藤巴(ともえ)@漫画家×カウンセラー
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