結果だけでなく、決意とプロセスの公開も
『男女の賃金、公開できますか?』(2022年5月23日 日本経済新聞)は、興味深い内容でした。
日本では、2023年度にも「人的資本への投資状況」を有価証券報告書に記載することを義務付ける予定です。そこに、男女の賃金差という項目があります。公開を義務付けることにより緊張感が生まれ、改善を期待できます。
男女の賃金差以外にも、「重要ポストの内部登用率」「離職率」「苦情の件数」など、今まで見えなかった部分が明らかになっていく方向です。そして、これらの情報は「ルールだから公開する」のではなく、「積極的に公開する。その心は改善したいから」という決意表明でもあるのです。
仮に今現在の数字(結果)が悪いとしても、この「改善したい」という姿勢は市場から評価されるでしょう。改善するためのプロセスを公開するというのも一案です。むしろ嫌われるのは、都合の良い数字のみ公開するという恣意的な姿勢です。
あわてて「数字合わせ」をするのではなく、「今は残念な数字です。でも毎年改善させます」というメッセージを出す企業を楽しみに待ちたいと思います。