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原発とか、精神疾患とか、就活とか

自分が大した人間だとも思っていないですし、
「内定が数十社」とか「勝った負けた」に興味はないのですが、 

この春に人材系の企業に入社をしたので、
少しだけ就活の話を書こうと思います。

ためになる話ではないかもしれませんが、
こういう人もいるのかと楽しんでもらえるように頑張って書きます。



世にある就活の話は、多くが就活に対して
ネガティブな感想を綴ったものである印象です。


気持ちはすごくよくわかります。

就活の構造はとても歪だし、いち就活生の立場からはその全体像や、
なぜそうなっているかを捉えることが極めて難しい。

実際、今の会社に入社してから、自分は就活というものの構造を
ほとんど知らなかったのだと感じることが多々ありました。


内部に批判的思考を

不安産業

2年前、今勤めている会社のインターンに参加した際、
偶然、大学のクラスメイトと会いました。

その帰り道で彼と話した内容が今も頭に残っています。


インターンを終え、心地よい疲労の中、
東京駅に向かう電車の中で彼に質問しました。

この会社に入社するのかと。

彼は入社するつもりはないと教えてくれました。


その理由が「就活は不安産業だから」というものでした。
不安を煽れば煽るほど、人材業界が儲かるビジネスモデルだからと。


彼は「不安産業」なるものに加担したくなかったのだろうと思います。
当時の僕でも言い分は非常によくわかりました。


その上で、僕はそういう、ある種健全な危機感を持った人間こそ
業界に参画してほしいと感じました。

不満がある人が業界構造を深く知った上で、
批判的思考を内部に持ち込むことが必要なのではないかと。


彼の人生なので、人材業界には進まないという彼の意向を
否定することはなかったですが、

僕はその帰り道に人材業界に進むことを決意しました。


不安に触れる人生

振り返るとこれまでの人生で、
僕は人の不安に触れ続けてきました。


小学校の時に見た原発事故の映像をきっかけに
大学で土壌汚染を研究することを決めました。

大学3年性の頃には、精神疾患をオンラインで治療する
プロダクトの開発に熱中した時期がありました。

原発事故後のPTSDについて現地で知った結果の行動でした。


論文や書籍を読み漁り、専門家に教えを乞い、
当事者の皆様にインタビューを何十回もさせていただきました。

その頃の経験は、今の自分を色濃く形作っています。


土壌汚染や精神疾患、そして今は就職活動。

たかが24年ですが、原子力・メンタルヘルス・人材と
避けられがちなテーマの内部に入り込み、

人の人生の中で生じる大きな不安と向き合い、
自分にできることを考え続けた人生でした。


就活で考えていたこと

頑張りたくない

就活をする時に考えていたことは一つだけ、
頑張らなくても良い仕事をしようということでした。

楽な仕事をするとか、そういう話ではなく。

ただ、頑張っている意識がないけれど
人に褒めてもらえることを仕事にしたいということ。


というのも、これまで目標を掲げて、それに向かって頑張るということが
あまりうまくいった人生ではありませんでした。

なので、自分を含めた人の頑張る力をあまり信じられていません。

やっぱりしんどいことはしたくないし、
本能に従うと人は怠惰になると思っています。


就職した自分が頑張って背伸びをして、
それでいて健康的に働いている姿をイメージできなかったのもあって、

いかに自然にできることをお仕事にするかだけを
ずっと考えていました。


そこで、人に褒められたり変わり者扱いされた経験を思い返し、
「行動力」が一番多いなと気づきました。

別に大したことは成していないのですが
「初速の躊躇のなさ」が特に褒められることが多かったのです。


もう一歩掘ってみると、
失敗しても早く完成したらOKという思考のもと、

少ない情報量で意思決定できることが大きな原因ではないかと
言語化することができました。

本当にそうかはわかりませんが、自分なりに納得でき、
人に話しても理解してもらえるので、これで良かったのだと思います。


この意思決定の速さを僕は、「強み」と呼ぶことにしました。


せっかくなら伸びるところへ

まず自分で色々決めることができる環境へ。

ただし、これだけだと自分の強みで仕事をこなせるので
特にプレッシャーもないので能力が伸びるイメージが湧きませんでした。


せっかくなので伸びるところにいきたいなと思った時に、
何があれば自分が理想の自分に近づけるかを考えました。

意思決定の速さはある。
じゃあ決定の正確さが上がる環境があれば文句なしだなと。

そこで良質なFBが頻度高く届く環境に
行きたいと思うようになりました。


自分で決められる + 目線の高いFBが届く
という2点を踏まえたとき、

中間管理職となる上司がおらず、
ハイレイヤーな上司の直属になれる環境がほしい

という結論に至りました。


自分で決める。目線の高いFBが届く。
次の決定のレベルが上がる、という正のループが回りそうだなと。

そこで規模の大きくない人材系の企業を受け、
さらにハイレイヤーな人間と直接接点を持てる新規事業の部署を志願して

現在の会社を受験しました。


最終面接でも、社長を目の前に
「新規事業の部署ならお互いのためになると思うので入ります」と伝え、

内定通知と、長期インターンシップの時点から
新規事業に関わることを提案いただきました。

条件面に文句がなかったので2社内定をいただいた時点で、
比較して自社に意思決定しました。


まとめ

人の不安に向き合う人生の中で、
今も昔も自分にできることの小ささにずっと悩んでいます。


昔よりキャリア選びが多様化し、
志望業界やなりたいキャリアが特にない場合にどう意思決定するかなど

数年前の僕を含め、現代の学生さんには
新しく多くの不安が生まれていることと思います。


人材業界の中で、理想に向かって悩みもがく仲間が増えること、
そしてこの記事が誰かのキャリア選択に寄与することを祈っています。

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