物流パレットの規格標準化と大手レンタル事業者二社の共同による回収
水曜の夕刊一面アタマに、物流パレットの規格統一や、パレット管理や回収をレンタル事業者が共同運行する取り組みを取材した記事が載っていた。
記事の前半では、パレタイズによる荷役時間短縮でトラックドライバーの負担が軽減し、2024年問題の対策になることが説明されている。
後半のパレットのレンタル会社による共同事業について、記事てまは具体的なサービス名が出てきていないが、どうやら業界大手のJPRとuprが提供するX-Rentalオープンプラットフォーム(XROP)というサービスらしい。下記はLNEWSの5月の記事。
冒頭の記事からは国交省も強く後押ししている様子が垣間見られる。国交省サイトでも両社のサービス紹介資料が掲示されていた。
https://www.mlit.go.jp/seisakutokatsu/content/001621143.pdf
梱包資材やメーカーへの返品を回収する物流のことを、体の中から老廃物を回収する静脈になぞらえて静脈物流と言ったりするけれど、パレットは基本的にリユースだろうし、レンタルだと前回と同じメーカーに戻すとも限らないから、あまりそのようには呼ばないのかな。
大きな製品の物流では、包装設計での効率化にはメーカーも熱心に取り組んでいる一方で、企業の垣根を越えた効率化の仕組みは食品や日用品の業界に比べるとまだまだこれからなんだと思う。製品によってはバラ積みや従来の独自規格パレットより積載効率が下がることもあるのかもしれないけれど、まずは荷役時間短縮とリユースのために(レンタルかはさておき)規格化されたパレットとその共同管理が進むのは良いことだろう。記事で国交省担当者コメント「荷主企業が、パレットの大きさから逆算して運びやすいように製品の形や大きさを決める」というのは、(製造業にも物流業にも勤務したことがないので根拠のない推測だけれど)包装設計に熱心な国内メーカーにはそれほどまで時間を要さずに波及していくような気がする。ただしその先、フィジカルインターネット(物のインターネット)と呼ばれる動的で柔軟な共同配送の実現性までは、寡聞にしてわからない。