映画を言葉に!「バリアフリー日本語字幕」①~映画の新たな可能性~
「GWはうちでドキュメンタリーを観よう!」略して「#うちドキュ」特集記事、第3弾はバリアフリー日本語字幕についてご紹介します。
そもそも「バリアフリー日本語字幕」とは…
映像作品の「音」を言葉で説明する字幕!!
主に耳が聞こえない・聞こえづらい方が映画などの映像を鑑賞する際に使われており、セリフだけではなく、初話者の名前・効果音・音楽なども表現します。
字幕というと、一般的になじみ深いのは洋画の字幕。違いをまとめてみました。
外国語映画の「日本語字幕(翻訳字幕)」
・外国語のセリフを日本語に翻訳した字幕
・「音」が聞こえることが前提なので、聞こえてわかる言葉は省略
(例:名前の呼びかけなど)
日本映画の「バリアフリー日本語字幕」
・日本語のセリフをそのまま表記した字幕
・「音」が聞こえないことが前提なので、聞こえる音声はすべて表記
・発話者がはっきりしない場合は、話者名も表記
・演出意図の理解に必要な効果音や音楽の情報も表記
必要なのはわかるけど、映画にこのボリューミーな字幕は邪魔かなあと思うそこのあなた。
聞こえるひとだけじゃなく、聞こえないひとでも「バリアフリー日本語字幕」食わず嫌いさん意外と多いんです。
「#うちドキュ」は、そんなあなたにこそ観てもらいたい。
まずは 2017年公開『もうろうをいきる』予告編をご覧ください。
予告編で出てくるナレーションやセリフが日本語なのに、ほとんどすべて字幕で出ているのに気がつきましたか?
目が見えなくて耳が聞こえない、盲ろう者の人たちをめぐるこの作品は、オリジナルが「バリアフリー日本語字幕」版で上映されました。
公開当時、中途失聴・難聴者のインフルエンサーとして多方面で活躍するユニバーサルデザインアドバイザー 松森果林さんのブログ でこのような紹介がありました。
日本映画への字幕が義務化されていないことは
繰り返し述べている通りですが
「映画のバリアを取り払い、
その先にある映画の新たな可能性を見つめたバリアフリー上映をしたい」
という西原監督の言葉に、こちらも本気で応援したくなります。
“映画の新たな可能性”を見つめたバリアフリー上映
ドキュメンタリー映画では
・ナレーションに字幕があると、視覚的に理解でき、内容が入ってきやすい
・一般の方の話し言葉も、字幕があると意味がわかりやすい
とも言われます。
また、この予告編にあるように
・話し手の名前は(括弧)がついている
・漢字にふりがながふってある
・ビデオの音声の時は字幕が斜体になっている
・手話が字幕になるときは、〈括弧〉がついている
など、瞬時に音の状況を理解できるような工夫がされています。
このような「バリアフリー日本語字幕」の制作には映画製作者の監修が必要です。そこには演出がくわえられることもあり、情報保障を越えた“映画表現のひとつ”ともいえます!
5/2(土)~5/6(水)まで「GWはうちでドキュメンタリー映画を観よう!」略して「#うちドキュ」を開催中。
映画・映像のバリアフリー制作を通じて出会ったドキュメンタリー作品を劇場では見逃してしまった方たちに向けて、#StayHome のこの機会に観てもらえるように配信しています。
今回ご紹介した「もうろうをいきる」ほか全5作品、すべて「バリアフリー日本語字幕」付き!本編終了後のおまけ、監督・プロデューサーによる自撮りトークショーももちろん字幕がついています!
鑑賞後はぜひ「#うちドキュ」を付けて感想をお寄せください!
チケットをクリックして、あなたも#うちドキュ!
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