【祀画】髙橋良
画家 / 滋賀県在住
「祀る」とは封印するという概念から離れ、願いや呪いの種類が多様になることに合わせて変化しているように感じています。
悪霊や悪魔など災いである対象の自由を奪うために戦い、神を祀るというある意味シンプルなストーリー(封印する)だけでは人の心は浄化されないのだという思いでいます。
現在では祭りという行事そのものもコロナ禍で中止になるという始末です。
自らが悪魔のように扮して身を捧げ、踊り唄い楽器を演奏してもてなし、生贄として貴重なアイテムをさも大事そうに差し出す。
信仰する対象に敬意を払い、存在意義を見出し、目に見えない大きなものが大きくあればあるほど、平和と安らぎを得られるのだということを知っているからです。
人の願い、または呪いを変容させた「祀る」というエネルギーのいく先はどこへ向かうのかという思いを、それぞれの絵にしています。
【出展作品】
『交信』
唄い、踊って宇宙と交信している図。
『贄』
神様に生贄を捧げている図。
布を被っている者たちはコロナ禍でマスクをつけている人々から着想したキャラクターです。
『陵王』
中国・蘭陵王長恭の略、陵王。
雅楽の演舞の一種。
士気が高く、勝利を導くものとして伝えられていて今この時代に必要なものとして魅力を感じ描きました。
『神の手 Ⅱ』
神の手シリーズの二作目。
生死をも操れる大きな存在に対しての信仰心の強さを描きました。
『神の手 Ⅲ』
神の手シリーズの三作目。
悪事を知られたくないので、ドキドキしながら逃げている情景を描きました。
『使い』
春日鹿曼荼羅のオマージュ作品。
神の使いを主体にした好きな画題です。
墨で描きました。
『two』
使いの象徴として二匹の小鹿を描きました。
母体の中、心臓の形をイメージし、生と死を孕んでいます。
『appear』
雅楽の演舞で神様を呼び起こす図。
神と共に鳥や魚、鹿などの使いも一緒に出現し、代わりに演奏者は自身を捧げている。
『UDE』
僕が画業を終えることを想定し、自身の腕を贄として捧げた図
『ovum』
卵に包まれた小鹿に成長の証である角を与えようとする神仏の図。
子の成長を感じる瞬間を表現した情景です。
白白庵 オンライン+アポイントメント企画
災厄を祓い、幸福を招く現代の絵画展
会期:2021年6月5日(土)午前11時~14日(月)午後7時
会場:白白庵1階エントランスギャラリー
オンラインショップ特設ページ