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【星涯哀歌7】A boy meets a girl【蔵出しSF詩】

特殊強化プラスティックに保護された
生命維持シェルの内部
薄青い身体は透きとおりつつあり
頬の下シェルの製造ナンバーが読みとれる

器のなかにある器は
器であることをいま停止しようとしている
否 もともと器ではない
彼はごく一般的な酸素系知的生物に過ぎない

にも関わらず全宇宙が彼に抵抗する

確実に熱死を迎える動的な
あるいは
それ自体にとっても退屈な静謐の
その宿命いずれに向かうにせよ
宇宙が彼に与える名は違和

さてそのころ

化石燃料によって生み出される電気的な照明が
大地を踏みにじり続けているどこかの惑星で

シャマンたる彼女は両手を高くあげ空を仰ぐ
入墨のある細い腕は必要な動作に習熟している
しかし
彼女のもとにおりてくるものは
彼女の理解の範疇を超えるだろう

彼女は強化プラスティックを知らない
透明な身体を持つ男のことなど知らない
彼女が知っているのは
密林に閉ざされた小さな世界

それでも物語ははじまるだろう
それは
きわめて単純な物語である
ただひとつ重要な物語である


※※※

これ元ネタはなんだろ…とりあえず恋愛詩を書けと言われたので、思いつく限り一番ベタなタイトルをつけて、でもなんにも思いつかないので脳みそ振り絞って出てきた脳汁のようなもんです。

強いていうと元ネタは藤子F不二雄と諸星大二郎のような気がします。強化プラスチックに入ってる彼が藤子F不二雄のSF短編集の主人公みたいなやつで、地上にいる彼女の方は諸星大二郎の『マッドメン』なんかに出てきそうな女の子。そういえば、出会いそうにない二人が出会うSFって藤子F不二雄の十八番でしたね。

で、どういう話が続くか聞くのは野暮というものです。

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