「男って惚れやすすぎない?」妻のギモンに進化心理学で答えてみる
妻との会話から。
「あのさ、男ってさ、惚れやすすぎない?」
「うん?今度はどうした?」
「いや、職場の後輩の女の子がね、友達に告白されたらしいんだけどさ」
「ふんふん」
「そのコとしては、あくまでも友達としてしか接してなかったらしいんだけど、告白を断ったら、相手の男に『思わせぶりなことするな』って言われたって怒っててさ」
「あー…それは」
「ひどくない?勝手に勘違いしたのはそっちじゃん!」
「それは…しょうがない」
「しょうがない?なんで?」
「振られてキツく言っちゃうのは良くないけど、そもそも男って、女の人よりも何倍も勘違いしやすいようにできてる生き物だからね」
「勘違いしやすいようにできてるの?どういうこと?」
「えーと、恋愛のなかで誰かを好きになる部分って、基本的には男は積極的で、女性は慎重なものなんだけどね」
「そうなの?」
「男はさ、動物として考えると、『できるだけ多くの子孫を残す!』ってのが何より大切なことなのよ。言い換えると、できるだけ自分の遺伝子をたくさんバラまきたいの」
「なんかすごく嫌だ」
「動物として考えると、だからね。それで、自分の遺伝子をたくさん残すためには、男の場合、できるだけたくさんの相手との間に子どもをつくればいいってことになるんだよね。」
「うん、なんか嫌だけど」
「そうなると、もし勘違いだったとしても、女性の些細なしぐさとか言葉とかをスーパーポジティブに捉えて、『もしかして俺のこと好きなのかな?』みたいに、好意だと考えて告白とかの行動に移すほうが、男としては子孫を残すチャンスが広がるわけだよね」
「うーん、まあ、そもそも行動に移さないとその先はないしね」
「そうそう。つまり、勘違いしやすい男は女性にどんどんアプローチするから、結果的に子孫を残すチャンスも増えやすいってことなのよ」
「ふーん、そういうものかねー」
「いくら勘違いでフラれようが、最終的に誰かにOKもらえたらその方がいい、いわば『数うちゃ当たる』的な出会いを発展させたのが男だからね~」
「なるほどね~。じゃあ、女は違うの?」
「うん、女性は、恋愛の初期についてはかなり慎重になっちゃう人が多いとされてるんだけどね」
「うん」
「男みたいに『あの人私のこと好きかも…』となるよりは、『あの人が私のことを好きなわけがない』みたいに、ネガティブに捉える傾向があるとされてるね」
「うーん、まぁなんとなく分かるかも。でも、それってどうして?」
「女性はさ、子どもを1人つくるのことの負担が男よりはるかに大きいんだよね。妊娠、出産、育児に何年もとられるから、一生のうちに産める子どもの数には限りがあるし」
「ふんふん、そうだね」
「もしも女性が『勘違い』しやすいくらいポジティブに男を見てたら、相手がどんな人なのかをちゃんと知る前に、深い関係になっちゃうかもしれないよね」
「男も女もポジティブだったら、いきなり盛り上がっちゃうのか」
「ということは、女性にとってダメな男の子どもを妊娠しちゃう可能性が高くなってしまうと言えるんだよね」
「う~ん」
「そしてその妊娠からの出産と子育てに、人生の貴重な数年を費やしてしまうという」
「それは困るかも」
「女性としては、男をしっかり吟味して、ちゃんと自分や子どもを守ってくれたり、優秀な遺伝子をもっていたりする相手を選んだ方が、自分の子孫が生きのびやすいわけだね」
「そりゃ、できるだけ良い相手とのほうがいいよね」
「うんうん。だから、少しネガティブなくらいに男を見て、『本当にこの人が相手でいいんだろうか』とか、『自分や子どもを大切にしてくれる人だろうか』みたいに、なるべく慎重に考えるようになっていると言われてるね」
「ふ~ん、なるほどね~」
「最初の話に戻ると、後輩のコは友達として男のコに接してたってのは本当だろうし、『このくらいのスキンシップで好きになるわけない』と思ってたんだろうね。というか、まったく意識してなったんだと思う」
「うん、そう言ってた」
「でも相手の男の子にとっては、どこかのスキンシップで『もしかして俺のこと好きなのかも…』って勘違いしちゃったんだろうね」
「うーん、そうなのか」
「勘違いについては、どちらが悪いわけでもなくて、動物としての男女の進化がそうさせたすれ違いってところだね~」
・・・
それではまた!