創作の系譜20~聖者の嘲笑~
私は?おれは?
色々な状況的な対処などに当てはまらなくて、
それは驚いたり愕然とする事ばかりだ。
最終的に救いになるべく目安というのは、
きっと般若心経から語られるべき概念だろうし……。
でも、それでも理解だの納得が出来ても楽にはならない。
・・・・
現代語訳「般若心経」
超スゲェ楽になれる方法を知りたいか?
誰でも幸せに生きる方法のヒントだ
もっと力を抜いて楽になるんだ。
苦しみも辛さも全てはいい加減な幻さ、安心しろよ。
この世は空しいモンだ、
痛みも悲しみも最初から空っぽなのさ。
この世は変わり行くモンだ。
苦を楽に変える事だって出来る。
汚れることもありゃ背負い込む事だってある
だから抱え込んだモンを捨てちまう事も出来るはずだ。
この世がどれだけいい加減か分ったか?
苦しみとか病とか、そんなモンにこだわるなよ。
見えてるものにこだわるな。
聞こえるものにしがみつくな。
味や香りなんて人それぞれだろ?
何のアテにもなりゃしない。
揺らぐ心にこだわっちゃダメさ。
それが『無』ってやつさ。
生きてりゃ色々あるさ。
辛いモノを見ないようにするのは難しい。
でも、そんなもんその場に置いていけよ。
先の事は誰にも見えねぇ。
無理して照らそうとしなくていいのさ。
見えない事を愉しめばいいだろ。
それが生きてる実感ってヤツなんだよ。
正しく生きるのは確かに難しいかもな。
でも、明るく生きるのは誰にだって出来るんだよ。
菩薩として生きるコツがあるんだ、苦しんで生きる必要なんてねえよ。
愉しんで生きる菩薩になれよ。
全く恐れを知らなくなったらロクな事にならねえけどな
適度な恐怖だって生きていくのに役立つモンさ。
勘違いするなよ。
非情になれって言ってるんじゃねえ。
夢や空想や慈悲の心を忘れるな、
それができりゃ涅槃はどこにだってある。
生き方は何も変わらねえ、ただ受け止め方が変わるのさ。
心の余裕を持てば誰でもブッダになれるんだぜ。
この般若を覚えとけ。短い言葉だ。
意味なんて知らなくていい、細けぇことはいいんだよ。
苦しみが小さくなったらそれで上等だろ。
嘘もデタラメも全て認めちまえば苦しみは無くなる、そういうモンなのさ。
今までの前置きは全部忘れても良いぜ。
でも、これだけは覚えとけ。
気が向いたら呟いてみろ。
心の中で唱えるだけでもいいんだぜ。
いいか、耳かっぽじってよく聞けよ?
『唱えよ、心は消え、魂は静まり、全ては此処にあり、全てを越えたものなり。』
『悟りはその時叶うだろう。全てはこの真言に成就する。』
心配すんな。大丈夫だ。
・・・・
だってさ。
正に生きとし生ける者の悟りだ。
こんなものは幾らでも言及出来る。
魂が絶望して叫んだ事はあるか?
肉体を介して、もたらされたりする状況は気の持ち様だとか言えるのだろうか?
心の持ち様で涅槃(ねはん)という、お花畑になるのか?
何もかも最初から空っぽだとか?
まさか?
本当に思っているのか?
電流の様な激痛を伴う金縛りに襲われる恐怖と共に、
天井の三辺の隅の中心から脇き出ずる、
粘った黒い影の数多の鳥達の化け物の幻覚に自らを喰われる感覚を知っているか?
虚無の暗黒の底に、更に巣食う真の瞳を失った、
己によく似た獰猛なケダモノを感じた事は?
・・・・
“~真夜中に~”
何時の日にか逃げ出そう
深い夜の世界へ
そこは闇の息吹に満ちていて氷の様に冷たい所
誰もが我を失う所
人生がゲームではない所
私の壊れた心も隠してしまえる所
死んでたまるか……
孤独な心が流す涙を見咎められたりしない所
私にも
きっと見つけられる……
……優しい安らぎを
それは、暗くて冷たい……
真夜中に
真夜中に
真夜中に
暗い闇を抜けたい
いつかきっと
そこは夜の帳と
神住まう場所
誰も名を持たず
等しく揺蕩う
ただ残る為に
誰か壊す
潰れた心が涙をおおい
私は其処できっと
安らぎを得る
永遠の
真夜中に
・・・・
それから……
そして……
・・・・
”この瞬間に”
私はボロボロに弱っているけれど
かつて望んだ力も
新しく得た力も
もう何もかも
なくりかけているけれど
私は幸福に涙する事を知るとともに
あなたの存在そのものに心震える事を知りました
冷たい夜の霧の中で
私は生き残りました
それは月の光も星の光すらも区別がつきませんでした
私は私の方法で
いま
私の知る最も明るい光を
見ているのかも知れません
……この瞬間、私は確実に存在しています
私が生きているのだ
いま正に?
全ての
何もかもの為に
あなたが私に与え給うたのですから……
……
どうしても……
夢に見る逃れられない罪業は?
核廃棄物に汚染された様な絶対的な穢れは?
傷痕にすら成らないものの臭いも不潔さも残す穢れは?
食う喰わないの問題ではない殺生の果てに、
凌辱した命に対しての償いなんて出来るのだろうか?
自分そのものが異常であるのかさえ最早判断がつかない
こうして記す事自体に犯罪色が帯びる可能性もあり得るから明記は控えるが、
おれは……
実際に考える事も、
実際に行う事も、
何もかもが猟奇的である。
自称では健常者であると言って憚らなかった、
かつての親友であるという男に、
”いかれた事抜きに生きられなくなっちゃったんだ”
”異常極まりない”と言われた。
・・・・
おれは何をやったんだろう?
何を思ったんだろう?
ずっと?何を思っているのだろう?
おれが、ずっと思ってやまない事は何だろう?
「何か良い事が一回位あってもいいじゃないか!?」
という訳では、どうやら無い様だ。
……そう、
「怒られるのも、ぶたれるのも悲しくなるから嫌だよ」
に尽きるんだ。
<大好きな二つの歌にのせて……>