本日は天気晴朗なり2
東山の茶屋街から少し離れた所に豪邸が1軒ある。豪邸には離れがあり、そこには占いで有名な女性が住んでいる。名前を金城月夜という。
丸澤圭一郎は謎の冷や汗が止まらなかった。なんなのだこの威圧感は。女性は20代半ばくらいにもかかわらず百戦錬磨のオーラがある。金城月夜は文机に座り、お茶を飲みながら品定めをするかのように丸澤圭一郎を見つめている。無論、丸澤圭一郎にお茶は無い。
「金城月夜です」
「ま、丸澤です」
「丸澤圭一郎さん。本日はどのようなご用件でしょう」
「えっえ?私、下の名前を言いましたっけ?」
「そのようなことは些細なことです。いちいちツッコむならお引き取りいただいて…」
「あーすいません。些細なことです。確かに。どーでもいいですね!」
やばい。これはやばい。面倒くさい人だ。しかも何か神がかっている。
「ご用件を」
「はい。金城さんはここ最近の天気についてどう思われていますか?あ、天気と言っても気象ではなく…」
「丸澤さん。わかっています。もう、お帰りになりますか?」
丸澤圭一郎はへへぇと土下座して「恐れ入ります」と何度も床に頭をぶつけた。
「天気については私も気になってました。調べてみましょう」
丸澤圭一郎は「ありがたき幸せ」と戦国時代の足軽みたいに礼を言い、頭を下げつつ何度も「なんだこれ。なんだこれ」と脳内で繰り返した。
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