上半期加賀重臣会議会議録
この度の天気の不始末は誰に責任があるのか。
6月最期の金曜日、旧加賀藩の部署が集まり上半期の金沢の情勢について会議がホテル日航金沢の最上階で行われた。上半期、何と言っても事件だったのが5月の天気が荒れたことである。古くからの金沢市民はこの手のことに慣れっこであるため「また変なことが起きた」程度で見て見ぬふりをする。しかし、よそ者はそうではない。国際化が進み新幹線も開通しSNS等の情報化が進んだ昨今、このような失態は許されるものではない。早急に責任者を探し出し、再発防止に努めねばならない!
会議の議論は白熱した。「加賀尋ね人探索方」の部隊長は隊員を市民課の職員が自分に無断で利用したことに激怒し、「加賀社寺保存方」の大奉行はこの度は緊急であるから仕方なかろうとすまし顔で発言すると部隊長は「なにおぅ」と立ち上がり今にも飛び掛かろうとするのを老中能登守に大声でたしなめられる。もはや地獄の1丁目である。そんな中涼しい顔で居眠りを決め込んでいるのは「加賀氷室饅頭方」の森下老人である。まあ、確かにこの件で氷室饅頭は関係が無いのは確かではあるが。
「とにかく責任者を特定して適当な処罰をする。これでいいかな?」
青い天狗の面を着けたいかにも怪しい「加賀流言改方」の大旦那はこれ以上無意味に議論を長引かせてもロクなことにならないと思い適当に幕引きを図った。一同異議なし。早急に責任者を探すことで一致したのだった。
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