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遺体無き殺人 3

伴蔵の交際関係
警察の捜査で伴蔵は噂通り小金持ちであることがわかりました。上山町にいる甥に400円、旅館の女中に20円、赤湯町の友人に50円お金を貸していました。当時のお金ではいまいちピンときませんので、大体ではありますが現代のお金の価値に直すと昭和初期の1円は現代では5000円だと思って下さい。結構貸してますね。
他に交際関係を捜査すると自身の仕事仲間の鶏飼い仲間2・3人、自宅隣に住む独り者の柴田長太、役場の汚物掃除夫兼火葬夫で俗称隠坊(おんぼう)の渡辺高蔵ぐらいでした。
今回の事件は被害者の交友関係が狭いことが幸いして容疑者を絞りやすかったようです。警察が目をつけたのは高額な現金を借りている甥と隣に住む柴田長太でした。しかし、甥は早々にアリバイがあることがわかり白。もう一人の容疑者の柴田長太は窃盗前科4犯で通算3年1ヶ月刑務所に入っていました。警察は柴田長太について更に詳しい捜査を開始しました。

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