市民生活課 丸澤圭一郎の証言
丸澤圭一郎はあの悪夢の5月のことを茂庭草介から尋ねられて明らかに嫌な顔をした。「話たくない」ときっぱり断りお昼を食べに行こうとすると茂庭草介が泣きそうになりながら
「頼むよぉ。俺だってこんなわけわかんない仕事やりたくないんだよぉ。丸澤君もわかるだろ?」
と懇願するので、丸澤圭一郎はなんだかかわいそうになり、話すことにした。嫌だけど。
「そもそもなんで俺がこの案件を担当しなけりゃならなかったのかまるでわからないんだよね。お蔭で彼女と喧嘩して未だに口きいてくれないんだよ。なぁ、どうすればいい?」
「知らないよ。手取フィッシュランドにでも連れて行けば?」
「お前さ、適当過ぎにも程があるぞ。真剣に考えろよ」
ウダウダと本当に心底どうでもいい話ばかり延々と続いた。そうこうするうちに昼休みが終わり丸澤圭一郎と茂庭草介は昼食を食べ損ねた。しかし、ご安心あれ。その後、しっかり話を聞くことができた(そのほとんどは金城月夜と大野陽太に対する愚痴だった)。