本日は天気晴朗なり7
暗澹とは将来の見通しが暗く、何の希望ももてず悲観的なさま。 のことである。動かぬ石を前にして丸澤圭一郎は暗澹たる思いだった。彼は石に腰掛け頭をかきむしりながら一体、いつになったらこの問題は解決して自分はワインを飲むことができるのだろうと考えた。来週には「百万石まつり」である。仕事はまた忙しくなるだろう。いっそバックレようかとも考えた。大野陽太こと救世主から電話がかかって来たのはそんな時だった。
彼はこれから金城月夜を連れてここへやって来ると言う。どうやら、この石を動かせるのは金城月夜だけとのことだった。丸澤圭一郎は心の底から「もう!言ってよ!」と思った。2人を待つ間、クリーデンス・クリアウォーター・リバイバルというめちゃめちゃ長い名前のバンドが「君は晴れた日に降る雨をみたことがあるか」と歌っていたのを思い出した。昔聞いた時はなんてことの無い歌詞だと思っていたが、今となっては金沢の晴れた日には雨どころか招き猫が降りそそぎ龍や天狗が空を舞っている。
丸澤圭一郎は思い出した歌を口ずさみたいと思ったが、音楽を思い出せなかった。昔の歌だからな。スマホで調べようとすれば調べられたが、そういううのは彼のポリシーに反した。それらしきことを呟いて記憶を呼び起こそうとしていると大野陽太と金城月夜がやって来た。おぉ神よ!
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