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カリガ
2018年10月20日 23:31
特別だった暑さはいつの間にか煙のように消え去り、むしろ呼んでもいないのに勝手に冬が扉を開けつつある秋の午後、田所さんから着信があった。一瞬ドキリとしたが、彼女が電話をくれるなんて私としては嬉しいことこの上なかった。「優弥さん(といつからか彼女は私のことをそう呼ぶ)、大変なことになりました」「ど、どうしたんですか?」田所さんが慌てた様子で話すので余程の何かだろうと身体がこわばった。「