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カリガ
2017年1月21日 11:00
その男は喫茶店の窓辺に座り外の景色を眺めていた。男は何か見ているようで何も見ていない。その姿はまるで抜け殻そのものだった。男の目の前には原稿用紙と万年筆が置いてある。原稿用紙には一文字も書かれていない。私と夕子さんは男の目の前の席に静かに座る。店員が注文を取りにやって来た。夕子さんは紅茶を頼み私はコーヒーを頼んだ。その間も男は空疎な目つきで窓辺を眺め身じろぎひとつしなかった。「夕子さん、こ
2017年1月17日 23:24
夕子さんの実家でモノノケを見せてもらって以来、どういうわけか彼女は私に話しかけてくるようになった。恐らく私と夕子さんは秘密を共有した仲になったからだと思う。私としては憧れの女性と親しくなれて嬉しい限りだった。そんなある日、サークルが終わり帰り支度をしていた私に夕子さんが「週末何か予定ある?」と尋ねた。その週末はアルバイトも休みだったので特に予定は無いと告げると彼女は「じゃあ、ちょっと付き合