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躍り喰い。

ボクは生ものを
平気で食べていた

代表するのは
お刺身
そして
サラダ

飲み物は
もともと
常温か
少し温めたもの

みなさんからすると
かなり温いと思う

多くの親族の
看取りを体験し

生きる者の
息を引き取る姿は
辛く悲しく

PTSDを患うほど
衝撃だ

亡き母の代わりに
親族一同
一丸となって
ボクを引き取って
たくさんの苦労をかけた

感謝してもしきれない

虐待を続ける
新しい母との
裁判での戦いも
簡単ではなかった

すべて目の前でみた

どんなに大変だったか
わかってる
知ってるよ

おじいちゃまや
おばあちゃまが
自分の病気と闘いながら
ボクのために何度も何度も
役所や弁護士さんのところ
行ったり来たり

涙を流す
償いだけでは
償いきれない

ボクは生涯かけて
おじいちゃま
おばあちゃまを
記事に現し敬う


何度看取っても
「なれ」たりしない

最初の看取りは
4歳だった
ボクがぐずってたので
おばちゃまは
トイレも抱いたまま
入った

ボクは膝の上から
落ちた

そこから
記憶が残ってる

おばあちゃまが
「うっ」と息をひいて
座ったまま倒れる

意味も分からず
何度もゆする
おばあちゃま!

そこだけ

ひとりひとり
ハッキリ覚えてる

だからなのか

活け魚料理が食べられない

お刺身の桶に乗った
魚がパクパクと動く

目を見張り
悲鳴を上げた

バーベキューなどでも
新鮮な魚介類と

生きた貝を乗せる
ハマグリやサザエ

焼かれ死ぬ姿を
初めて見たとき
大声で悲鳴を上げた

お料理番組で
生きたカニを姿茹で
衝撃すぎて倒れた

柳川鍋は
生きたドジョウが
鍋が熱くなるので
豆腐に飛び込み
出来上がると聞いた

聞くだけで
既に食べられない

そして
生きた魚を飲む
白魚の踊り食い

最初に聞いたとき
吐いた

聞いただけなのに
吐いた

どんなお料理も
好き嫌いせず食べれる

アレルギー出て
食べられなくなったものもある

しかし
状況で
食べられないものがある
生きたままの料理
生きてるのを
死なせながら
食べる料理

これはボクには
厳しい

釣った魚をしめてから
さばくんだから
同じように残酷だよ

そのように
云われたが
食するために
しめることに
反対じゃない
感謝だ

そうじゃない
わざわざ
死んでゆく姿
みながら
食べたくない
それだけだ

常々料理人にだけは
なれないとは感じてる

生きてる魚をしめることや
アサリの酒蒸しのよに
生きてるものに火を入れる
それが怖くてできない

だから
完成品は残さず食べる
大切な命だから食べる

活け魚料理は
もう二度と目の前に
観ることは無い

口をパクパク
苦しそうな魚さん
いとこが
面白がって醤油かけたら
暴れて跳ねた

つまが飛び散らかって
叱られてた

ボクにはできない
お魚であっても
ご遺体に
醤油かけてみるなんて

そばにいた
おばあちゃまに
この口パクパクの
ご遺体はどうなるか
尋ねてみた

アラ焚きなどにするのか
最後まで命を
粗末にしないのか

「生ごみで捨てると思うわ」

衝撃すぎて
今も夢に出る

ボクはその場で
懇願して
その口パクパクさんを
煮つけてもらい
泣きながら食べた

神経残して
身を削がれて
人間に貢献してるのに
ゴミにするなんて
ボクにはできない

どんなに痛かっただろう
ありがとう
ありがとう

感謝の舞を
口パクパクお魚さんのために
ボクが舞い踊る

「躍り喰い」
ボクの中では
食べる側が感謝の舞を踊ること


生きたまま食べる
殺しながら食べる
生涯ボクにはできない

どうしてか
今は亡き親族の臨終の姿を
思い出すから














読了ありがとうございます 世界の片隅にいるキミに届くよう ボクの想いが次から次へと伝播していくこと願う 昨年のサポートは書籍と寄付に使用しています 心から感謝いたします たくさんのサポートありがとうございました