不動産のイメージはひとそれぞれ
興味がないとしても、不動産にかかわっていない人はいません。
不動産ってなに?
そう思うかもしれません。
不動産とは、すべての(土地)と(建物)です。
かんたんですね。知らなかったとしても、それは単に、いままで意識していなかっただけのことです。
不動産にかかわらずに生きるとしたら、たとえば、海の中で一生を遂げるとか?
さすがに不可能です。映画『ウォーターワールド』に登場する、海で生きるために進化した主人公(ケビンコスナー)でも、陸なしでは生きられないでしょう。
そんな、だれもがかかわるのが『不動産』です。
では、もう少し詳しく説明して。次は何を知るべきなの?
もし、そう思ってくれたとしたら、とてもありがたいです。
でも、じつは「次」になにを言うべきなのか、もうわかりません。
早すぎますか?
そう、不動産は、はじめの一歩がとてもむずかしい。
なぜなら不動産とは、借りている、貸している、持っている、これから持とうとしている、売ろうとしていると、それぞれの、その時の事情で立場が変わる不思議な存在だからです。
たとえば都会のオフィス街ではたらく人は、不動産と聞くと高層ビルを連想するかもしれません。
世の中を騒がせた事件を思い浮かべる人もいると思います。
たとえば手抜き工事で傾いたマンションとか、サブリース契約した会社が破綻してローンが払えなくなった事件とか、地面師という詐欺師の大事件などです。
就学や就職で、いま部屋を探しているのなら、アパートやシェアハウス、賃貸マンションに直結するのではないでしょうか。
マイホームの購入を検討中とか、購入してまだ日が浅いなら、分譲マンションや建売住宅、もしくは注文住宅などと結びつきやすいと思います。
逆に、自宅を売ろうと考えているなら、自宅に集中しています。
駐車場の収入があれば駐車場、家賃収入があるなら収益物件への意識が高いはずです。
投資家にすれば、キャピタルゲインやインカムゲインの大きな不動産に最大限の注目を浴びせます。その上で、土地が得意、タワマンが得意、おんぼろ物件が得意など、それぞれのターゲットが変わってきます。
戸建や、収益物件のデベロッパーは、ボリュームがとれる単価の安い、そして、利便性の高い土地を探しています。
不動産を仲介する仲介業者なら、取引が可能な土地や建物を幅ひろく、けんめいに探しています。
不動産は、こんな風に、単純にわかりやすくお金儲けに結びつく性質があります。
しかしたとえば、子どもの頃から官舎に住んでいて、大人になってもずっと官舎住まいだとしたら、不動産など、選択肢のないただの佇まいでしかないのかもしれません。
他にも、不動産に関わる法律のあれこれに神経をとがらせている行政の、
まちづくりに関わる人なら「公園とか道路」、
建築許可に関わる人なら「用途地域」というふうに、
担当により連想することが細分化していくと思います。
不動産にかかわらない人はいませんが、しかし同じようにかかわっているわけではなく、各々の事情で関わります。したがって、ニーズによって興味関心が異なりますし、それぞれの経験や知識に大きな差異が生まれます。不動産には共通の概念はないと思います。たとえば同じマンションに住んでいるとか、同じ別荘地に別荘があるとか、そういう近い間柄ならともかく、日常生活で不動産の話題というのはマイナーです。
ところが、たとえ知識や経験がまるでなくても、
いざ、借りるとなって、買うとなって、売るとなって、貸すとなると、
いきなりその市場にポンと裸で放り込まれて、
相手と対等にプレイしなければなりません。
これが可笑しい。
そのために不動産屋さんがいるのではないの、
という意見はもっともです。
ところで不動産屋とは何を指すのでしょう。
不動産屋とは、宅建業者のことになります。
宅建業者は、不動産の(売買)と(仲介)を行います。
(売買)と(仲介)ではまるで立場が違います。
適用される法律も違います。
気をつけてほしいのは(仲介)です。
詳細はまた次の機会にしますが、(仲介)と一口で言っても、
その形態や契約には種類があります。
それらに共通しているのは
(仲介)ですから、立場はニュートラルということです。
売り手と買り手の、貸し手と借り手の、
どちらか一方だけに肩入れすることはできないのです。
守り切るのは法律であり、お客ではありません。
矛盾というか、謎というか、だから
守ってもらえるかどうかは、その業者の人柄とか、
あなたとその業者の関係で決まります。
もちろん、関係や人柄をえらぶ権利はあります。
だけど、知識・経験がない人が、どうやって選ぶのかがむずかしい。
勤め先に、関連会社にあるといいのですが。
ところで行政にすれば、
不動産に関する法律はいたれりつくせりだから、
べつに共通の概念などなくても、ルールに忠実にしたがえば、
問題などおこらずに、ちゃんとした結果がでるはずだ
という立場なのでしょう。
この辺はいたちごっこです。
ルールを守らない人は必ずいるからです。
たとえば売り手とグルになっていることがあります。
一度きりの客よりも、くり返しかかわりを持つ、業者同士のつながりを重要視する状況もあります。
ちょっとしたスピード違反程度という認識でやっていたり、過失ということもありますし、悪意のときもあります。
不動産の問題は、小さなものを含めれば、日常茶飯事で起きています。
そしてときには、強烈なダメージになる、そういう怖さが内在していても、
普段は、見えていない状態です。
だからこそなおさら、少し関心を持つだけで防げること、改善することがたくさんあるはずだと信じています。
不動産の説明は、法律用語や専門用語で、よくわからなくなるものが多いです。わかりやすく書けるようがんばりたいと思います。
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