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60歳からパチスロ専業を目指した男の話

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生活能力が欠如した61歳、川野藤吉の新たなる挑戦。定年後にも関わらず、襲い掛かる金銭トラブル。彼を苦しめたギャンブル依存症。にも関わらず、パチスロで生活苦を乗り越えようとする初老…
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2020年6月の記事一覧

60歳からパチスロ専業を目指した男の話

60歳からパチスロ専業を目指した男の話

コロナウイルスの自粛期間中、某所で営業を続けるパチンコ店があった。
自粛期間中にも関わらず、客は長蛇の列。普段、閑古鳥が鳴くような店でさえ、客足は途絶えない。
市が協力要請に応じない店舗を「公表」という形で、「要請」「指示」に踏み切ったが、
皮肉にもそれが宣伝効果となり、さらなく集客効果をもたらした。
県外から訪れる客も珍しくない。

川野藤吉(かわのとうきち)は御年61歳だ。
1年前に中小企業を

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60歳からパチスロ専業を目指した男の話②

60歳からパチスロ専業を目指した男の話②

第1話はこちらです⇒https://note.com/pachislot_novel/n/ndeb099c26792
第3話はこちらです⇒https://note.com/pachislot_novel/n/nb2dfc8809d81

老年期を迎え、夫婦関係は落ち着くかと思われた。

若い時から藤吉は妻との夫婦喧嘩が絶えず、家庭内不和は日常茶飯事だった。
原因はパチスロ。
月の給料の使い込み、お

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60歳からパチスロ専業を目指した男の話③

60歳からパチスロ専業を目指した男の話③

第1話はこちらです⇒https://note.com/pachislot_novel/n/ndeb099c26792
第2話はこちらです⇒https://note.com/pachislot_novel/n/nd6ce0285a840

日本国内での感染症も落ち着き、緊急事態宣言が解除された。
パチンコ店は一斉に営業を開始し、藤吉のしがない日々は元に戻っていた。
相変わらず、月々の小遣いを散財する

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60歳からパチスロ専業を目指した男の話④

60歳からパチスロ専業を目指した男の話④

第1話はこちらです⇒https://note.com/pachislot_novel/n/ndeb099c26792
前回はこちら⇒【第③話】 次回⇒【第⑤話】

被害届は出さなかったのではなく、出せなかった。

特殊詐欺事件の被害者は、羞恥の意識が作用し、被害届を出しにくい心理状態となる。
「騙された年寄りがばか」「惨めでかわいそう」など、
世間体を気にするあまり、泣き寝入りするケースも多い。

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60歳からパチスロ専業を目指した男の話⑤

60歳からパチスロ専業を目指した男の話⑤

第1話はこちらです⇒https://note.com/pachislot_novel/n/ndeb099c26792
前回はこちら⇒【第④話】 次回⇒【第⑥話】

「は?」

聞き慣れない威圧的な言葉に藤吉は尻ごんだ。

「あ…あの…。実はわたし、お金に困ってまして…その、いつも出しているようなので…コツなどありましたら教えて頂きたいな…と…」

ひとしきり動揺を見せた藤吉はヘラヘラと笑った。

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