「具体例」が学びを身近にする
子どもたちが知っていることで例えてあげると、理解がしやすく学びが加速します。
背の高いロボットを作っている子たちがいます。どうすれば自立させられるか考えあぐねていました。
私はそのロボットを観察し、子どもたちに質問してみました。
「三点倒立ってやったことある?」
子どもたちはやったことがあると答えてくれたので、話を続けました。
「頭と手を近づけた場合と離した場合、どっちが倒立しやすい?」
この問いに、子どもたちは「離す!」と即答しました。
いまの支え方では、地面と接する点を結んだ形が薄べったい三角になっていて、それでは自立しづらいんだという結論に、子どもたちは自分でたどり着くことができました。
三点倒立は子どもたち自身が体感していることなので、バランスをとることにおいて「絶対に間違いない!」という感覚があり、すっと腹に落ちたようです。反応を見ていても、「理解してくれたな」という感触がありました。
今回の話で、きっと子どもたちは作っているものの目標のひとつが明確になったので、その部分に関してはもう迷子にはならないでしょう。
機体づくりに新たな問題が起きても、そのことを念頭に置いて進められるか、あるいは忘れていたとしても、「支えの位置はどうするのが良かったっけ?」と少し促すだけで思い出すことができるようになります。
子どもたちに実感のあるたとえを引用できると、より理解が深まるという実例でした。
理解が深まると学ぶことに楽しさが加わり、「学習」に前向きになれます。
学校の勉強に面白さを見いだしにくいのは、具体性に欠け、実感が伴わないものが多いからだと、私は感じていました。
だから、「なんの役に立つの?」っていうどうでもいい考えが浮かんできちゃうんだと思うんです。
子どものうちは特に、直接的に役に立つことを学んでいるわけではないんですよね。学ぶことを通して「自分で考える力」をつけてほしいですよね。
「考える力」をつけるには、手を動かして作ってみるのがいいです。
イメージ通りにできているかを、目の前にある実物は、すぐにフィードバックしてくれます。
先生がマルをくれるまで正解かどうかわからない計算問題とは違います。
手を動かして作るのに私がオススメしたいのはブロックです。
丈夫に組み立てなければ崩れ、それよって、自分の作ったものが壊れやすいいんだとすぐにわかります。納得のものができているかも、実物があるのですぐにわかります。
作り方にはいくつかのポイントがあるので、それについてはまた今度お話ししますね。
最後まで読んでくださりありがとうございました。