社会正義アピール主義 (気候変動対策抑制カード8/12)
気候変動対策推進の足を引っ張っているさまざまな「主義」を、カードでご紹介しています(カードに関する詳細は最下部にてご覧ください)。
気候変動対策には大きなコストがかかります。社会的弱者が負担を強いられ、勤勉な人々は休暇を楽しむことすらできなくなってしまうでしょう。
社会正義アピール主義
エネルギー消費とGDP成長には関連性があるにもかかわらず、英国では体系的な経済成長による(絶対的であれ相対的であれ)貧困削減が実現できていません。
解決策が「何が何でも成長すること」ではないのは明らかです。
私たちの目的は、持続可能な社会の実現であり、エコロジー経済への確実な移行です。
「衰退」という概念が、経済不況や恐慌と混同されがちなのは理解できます。しかしこのような憂慮に満ちた言説は、人びとを怯えさせ、実態を正確に捉えることを妨げ、あらゆるイニシアチブを阻止してしまう傾向が強いのです。
Covid-19危機の際の、こう言う人たちがいました。「削減したかったんだろ。これがお望みのものかい? この悲惨な状況をよく見るがいい!」と。
GDPの低下を引き起こしたからといって、パンデミックを脱成長と同一視するのは不条理です。
体の一部を切断して「体重が減ったからこれもダイエットだ」と、一体誰が言うでしょうか。
制限的な措置に最も大きく影響されるのが、富裕層であるということを覚えておきましょう。なぜなら、彼らこそ最大の環境汚染者だからです。
脱成長が意味するのは、社会的・環境的損害を抑えるための生産と消費の削減であり、幸福や健康、ウェルビーイングの減少を意味するものではありません。
先日、ロンドンの「イズリントン・クライメート・センター」を立ち上げた女性とお話しする機会があり、プレゼントに12枚のカードをいただきました。
カードは彼女も作成に関わったもので、英国発の環境保護団体「エクスティンクション・リベリオン(XR)*」が著作権フリーの制作物として提供しているそうです。
*エクスティンクション・リベリオン | 市民的不服従、非暴力の直接行動を用いて気候変動に対する政治的な決断を促す市民活動団体。
(ところで、この機会にXRについて改めていろいろ調べ、UKで暮らす人たちに意見を聞いてみたのですが、おれが日本で思っていたような「過激な組織」という印象を持っている人は少なそうでした。
やり過ぎてしまうメンバーが一部存在しているものの、規模からすれば当然で、むしろ抗議活動の行い方としては「真っ当」であり、市民や警察に対しても協力的と捉えている人が多いようでした。)
日本とは文化的な違いもありわかりやすくはないものの、それでも通ずるところや感じるものが多いものではないかと思ったので、テキストの日本語訳を考えてみました。
イマイチなところも多々あるだろうなと思うので、「この方が良くない?」とかアイデアがあれば教えてください。そしてもし「イラストを含めて日本語版を作ってみたい」と思われるデザイナーやプランナーの方がいらっしゃったらお声掛けください。
Happy Collaboration!
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