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【Q&A集】 想像力とD&I | IBMのコミュニティーとアライ

北九州市に、日本アイ・ビー・エムのグループ会社である「IJDS(日本アイ・ビー・エム デジタルサービス株式会社)」が運営している「IBM 九州DXセンター(通称KDX)」があります。

30名程度でのオーブンから2年で200名規模(だったかな? 数字うろ覚えで間違っていそう…)と急成長中(現在も絶賛採用拡大中)なのですが、あたしパチもこ縁がありその関係を深〜くしておりまして、自分の中ではすっかり「思い入れある大事な拠点」となっています。

そんなKDXで一昨日、All Hands Meetingと呼ばれる全体ミーティングがありました。

「パチが普段気持ちを込めて活動している『ダイバーシティー&インクルージョン・コミュニティー』について20分話してよ」とお声かけいただき、一昨日何十名(60人くらいが会場参加だったのかなぁ…オンラインは何人くらいいたんだろう?)かの方に向けてお話しさせていただきました。

「おしゃべりが過ぎるタイプ」なもので質問タイムをしっかり取れず、「後ほど文章でお答えしますね」とセッションではお伝えしたのですが、質問内容が素晴らしく、普段から多くの方に伝えたいことだなぁと思う質問が非常に多かったので、社内に閉じずにこの場での回答することにしました。

なお、セッションでしっかりとその活動内容を紹介したコミュニティーは2つ。「PwDA+コミュニティー」と「LGBTQ+コミュニティー」です。

日本IBMによるLGBTQ+への取り組み

前者は障がい当事者と彼・彼女たちを応援する「アライ」と呼ばれる社員たちが中心となっているコミュニティー、後者は性に関するマイノリティーとアライによるたコミュニティーで、実施している活動とそこに込めた思いや考えをお伝えしました。

それでは以下、いただいた7つの質問への回答となります。プレゼン資料の中から関連するページも貼っておきますね。

しかし改めて、質問の質が高いなぁ。「真剣にみんな考えてくれているんだな」ってすっかり嬉しくなっちゃいます。

1. マネージャーの視点として、メンバーに対する配慮の要否について外見からは認知しにくい側面もあり、見極めはどのようにしたらよいでしょうか?

マイノリティー性って、その多くは外見からは分からないものが多いですよね。そして外見からは分かりずらいものほど、当人には「隠そう。隠したい」という気持ちが働くんだと思います。すごく共感できるし、分かりますよね?

ですから、見極められないと思ったほうがいいと思います。見極めるのは無理、を前提にしましょうよ。

そして、「そうかも」も「違うだろう」もどちらも思い込まずに、気になるときには2人になったときに「こんなふうに感じたんだけどね、もしかしたら…」って言葉にして聞いてみることが大事かなって思います。

2. 何から始めればよいのかと考えてしまいがちで、日常生活、社会生活のどういったところから始めればよいでしょうか?

そうですよね。考えちゃいますよね。
1番身近で、1番すぐできることからがいいんじゃないかと思います。

あらゆる瞬間に、何の準備も道具も不要ではじめられること——「想像力」から、ではないでしょうか。
「今耳にしたこの発言に対して、何かしっくりこないものを感じたけれど、この思いはなんだろう?」「このやりとりって、誰かを不当に搾取はしていないだろうか? 」。

そんなふうに、想像力を発揮して、もう一歩「これって…」を考えることをお勧めします。これ、癖になるといろんな観点からいろんなことが楽しめますよ!

When I'm Fifty-Four

3. LGBTQ+といったセクシャルマイノリティに対して周囲にその秘密を暴露してしまう「アウティング」と呼ばれる行動が問題視されています。性的少数者に限らずマイノリティーの方に可能であれば配慮を行いたいと思う一方、当事者にとって秘匿するべき事柄であれば過度な干渉は避けるべきと考えています。こうした場面では、アライとしては待ちの姿勢であるべきか自発的な行動をとるべきか、どちらが良いのでしょうか?

アウティングは難しい問題で、「良かれ」と思ってやってしまうことがあるのも知っています。そしてそれが結果的には「よかった」となることもあります。

でも、やっぱりそれはすごく覚悟のいることです。本当に「そうした方がいい」と思ってやったことであっても、本当のところは当人にしか分かりません。大袈裟ではなく、その人の人生を狂わせてしまうことだってあり得ます(そういう場面にでくわした経験があります)。

原則は常に本人に。
そして他者のアウティングに気付いた時は、両者にそれを伝えましょう。

4. プロフィールの経歴を拝見しました。36歳まで様々な経験をされて、IBMに入社しようと思ったきっかけは何ですか?

100パーセント「縁」です!
就職する前、日本IBMで派遣社員として数年働いていました。

その後、別の会社に就職し、うまくいかずに困っていたとき、「社員として戻ってきて、私のチームで働いてほしい」とお声掛けいただいたのがきっかけです。

いつも喧嘩していたマネージャーだったので、「この人はあたしの『ストレートな性格のことをよく知っていて、それでも声をかけてくれている。そんな人のもとでなら…」と思い、IBMに転職しました。

#混ぜなきゃ危険

5. 初対面のセクシャルマイノリティの方とコンタクトを取る際に相手側の意思を尊重するべきか、通常通り公平に接するべきか、判断に悩むケースが考えられますが、どのように接していけば良いかおすすめの方法があればご教示いただきたいです。

「相手側の意志」というのがどんなものなのか想像が今ひとつ付かないのですが、基本は「本人の意思」だと思います。ただし、自分その方の関係が、周囲にも影響を与えるものなのであり、それが周囲に困惑を与えたり混乱を招きそうなものであれば、その事を本人に伝えて、その上で全体を見る必要があると思います。

そうした状況・予測を当人に伝えた上で、どうするのが当人にも周囲にもよさそうかを一緒に考えるのがいいのかなと思います。

その際、理解しておいた方がいいのは「ほぼすべての当事者が、わざわざトラブルとなることを望んではいない」ということ。その前提で検討をスタートしましょう。

6. 自身がD&Iについて取り組む上で、継続して意識していること、もしくは特に意識していることを一つ教えていただけますでしょうか。

自分が理解していることは、まだほんのわずかでしかないこと。限られた経験や知見しか持っていないことを忘れないこと。

「きっとこうだろう」と頭に浮かぶ想像が、いかに事実とは異なっているか。「こうすればよいのでは」と直感的に思ったことが、どれほど思い込みに囚われた発想に過ぎないのかを忘れないこと。

それを忘れないことが大事だと思っています。(でもこれ本当に難しくて…。「忘れないようにすること」を忘れちゃうんですよね)。

PwDA+コミュニティー | LGBTQ+コミュニティー

7 IBMで仮に自分がマイノリティ側で、相手に悪気がなくても傷つくことを言われた場合、それを相談できる場所は整備されていますか?

まさにそれこそコミュニティーの得意なところ! 出番です! でも、それに抵抗感があるならマネージャーでもいいし、マネージャーが頼りないならさらに上のマネージャーでもいいし、もちろんあたしでも! (って、もっと頼んないですねww)

「傷つく」レベルにもよるかと思いますが、お伝えしておくとIBMグループ社員であれば「I-Support」とという健康保険組合が提供している24時間365日どこからでも相談できる窓口もあります。

また、「メンタルかなりきつい」ってことなら頼りになる産業医もいますよ!

IBM産業医 垣本啓介が勧める「文化への謙虚さ」 | インサイド・PwDA+6(後編)

以上です。質問いただいた方の、そして誰かの参考になるところがあれば嬉しいな!

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