介護保険は日本最大のサブスクリプションかもしれない③
過去2回に渡って、サブスクのことを説明してきました。
今回は、介護保険のことをしっかりと説明したのちに、その中から見える課題についてを話していこうと思います。
こちらの投稿を見てくださっている方は、おそらく介護保険のこともある程度ご存知の方だと思いますので、掘り下げてではなく、さらっとまとめながら、その利用の流れについてを詳しめに話していきます。
そもそも介護保険とは、
「介護が必要な方に、その費用を給付してくれる保険」ですね。
運営主体は国、ではなく、全国の市町村と東京23区です。なので、お住まいの場所によって微妙に解釈が異なるところがあるのはポイントですね。
次に、年齢ですが、
保険料の支払いは40才以上です。基本的には全員が加盟することになりますので、保険に入りません!ということは出来ないです。
次に受け取るのは第1号と第2号の2種類があります。
第1号は65才以上、第2号は40~64才の特定疾病をお持ちの方ですね。
と、簡単に目的とその対象をお伝えしましたが、要は40才以上の人たちの保険料で、40歳以上の介護が必要な人を支えましょう!という保険です。
つまり、運営主体としては、なるべく保険料を抑えたいわけですし、支払う側としては、何かあった時には保険料に見あったより良いサービスを受けたいというわけです。
ここがミソですね。運営主体の市町村は、保険料を抑えたい。しかし、日本は超高齢社会。お住まいの地域の人口分布によっては財政が相当厳しいところもあるでしょう。
しかもです、保険料を受け取ってサービスを受けた時に、サービスを提供してくれるのは介護者、つまり現役層の人ですね。この現役層が少ないことで財政が圧迫されているとしたら、
・介護を受ける人が多い
・介護をする人は少ない
・税金を使う(介護保険を使う)人は多い
・税金を納める人は少ない(介護保険にかかわらず)
となります。
つまり、高齢社会は財政難にもなるので、必要な場所にも関わらず、介護保険の認定が厳しくならざるをえないとも言えますね。
さて、この点を踏まえた上で、受けられる介護サービスですが主には
・通所
・入所
・訪問
の3つに加えて、貸与ですね。貸与に関しては、前回・前々回で解説してきましたので、ここは割愛しましょう。
大きくこの3つが介護サービスにはあるのですが、これを必要な人に必要に応じて計画を立てて使用していきますね。
この計画を介護を受ける人が立てられたらいいのですが、専門性が高いのでなかなか自分では作れない。そこで、計画を専門家に依頼して作成します。これが、担当ケアマネが作るケアプランですね。
ケアプランを作ることで、ケアマネはその依頼を各サービス事業所にしていく流れになります。この各サービスというのが、先程の3つですね。
ということはですが、ケアマネが作るケアプランは利用者の意見を代弁しているものであり、サービス提供者はこの利用者のニーズを叶えることが出来なければ、違うサービス事業所を利用されることになる。ということが大前提のモデルですね。
しかし!
ここでちょっと考えてもらいたいんですが、介護保険を利用するときって、誰かが「あなた、介護保険使えますよ?」って伝えてくれると思いますか?
実は、介護保険は病気や怪我がなければ自己申告制です。入院するので、病院の相談員が認定調査の依頼をする、という流れが一般的ですが、この時に利用者は初めて、介護保険を使う側に回るんですね。
払うときは突然、急に、強制的に払わされるのに、受けるときはアクシデントがないと使えないなんて・・・
まぁ公的サービスはこういうものが多いので、ここはいいとして、使う予定がなかったものに対して皆さんはそれなりの知識をお持ちでしょうか?
この知識がないため代行するのがケアマネですよね。つまり、利用者のためにを思ってケアマネがケアプランを作りますが、本来は利用者が知識をつけていくべきですね。この知識をつけるということが後に繋がりますので、ちょっと待ってくださいね。
サブスクの話ですので、これまでの話で、「サービス利用の支払いタイミングと関係性作り」について説明してきました。
介護保険では、ケアプランの作成依頼した瞬間にサービス利用が始まり、関係作りはサービス利用を通じて満足いくかどうかになります。
つまり、サブスクのモデルと介護保険の利用は似ているところがあります。しかし、圧倒的に違う点として、「関係作り」です。
そう、利用者は、介護に対しておんぶに抱っこで、自分で選択する知識がありません。ということは、関係作りにおいて、立場が対等ではなく、
事業所>利用者
という関係性が出来てしまうんですね。よく現場で聞く話としては、「介護してもらってありがとうございます」ですね。してもらって、という言葉は申し訳なさから出るワードです。この話が頻発すると、利用者は自分の思いを伝えられていないことが往々にしてありますね。
ということは、関係性作りがキーなサブスクにおいて、利用者が事業所の言うことを聞かなくてはいけないというおかしな状況になっていると言えます。
それでは、次回はこの問題点についてさらに詳しく掘り下げていこうと思います!
お楽しみに〜〜〜〜!
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