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似て非なるもの、イメージと違うもの

会社四季報を写経し続け140社になりました。
毎日最低2社は写経するようにしているのですが、続けているといろいろ気になってきます。

今日はそうしたことを記します。

ちなみに四季報写経については、四季報写経ウーマンさんの素晴らしい記事があるので紹介します。

■ 昔ながらの総合型スポーツクラブvsカーブス


昔ながらの総合型スポーツクラブってありますよね。
プールや浴室、サウナがあって、スタジオでは教室やってて、受付が有人でみたいなやつ。具体名で言えば、ルネサンスやセントラル。

対してカーブス。
女性だけの30分トレーニングを売りにしている、比較的小型のスポーツジムです。
プールはもちろん、シャワーや浴室などの水回りはありません。

両者を比較すると、総合型って苦しそう、カーブスの方が儲かってそうという漠然としたイメージが浮かびます。

実際そうなんですよね。
時価総額ではカーブスホールディングスが約680億円に対して、ルネサンス、セントラルスポーツ、東祥(ホリデイスポーツクラブ運営)は230億~300億円。
営業利益率はカーブスホールディングス12.8%に対して、ルネサンス1.7%、セントラルスポーツ4.2%、東祥(スポーツクラブ部門のみ)に至ってはマイナスです。

■ 両者の違い


まず、運営形態が違います。
カーブスホールディングスがFC展開であるのに対し、総合型は直営です。

それ以上に大きく違うのが、何で設けているのかです。
総合型は、会費やスクールの売上など色々とありますが、大まかに言ってスポーツクラブ運営に関することで売上と利益を得ています。

それに対してカーブスホールディングスの場合、そうした売上は42%に過ぎません。半分以下なのです。
では、売上の6割近くは何かといえば、ショッピング、つまり物販なのです。

その物販で売っている物の代表がプロテインです。
みっちり指導するトレーナーからプロテインを勧められ、購入するわけです。しかもサブスク契約の割合がけっこう高い。
カーブスは通う人同士やトレーナーとの人間関係が生まれやすいので、解約もなかなかしにくい。

よくできたビジネスモデルだと思います。

■ 同じようなことをやっているようで、実は違うことをやっている


つまりそういうことです。
一見、同じようなことをやっているように見える。でも実際には違うことをやっている。

こういうことはよくあります。

例えば、ユニクロとしまむらも違うことをやっていると言って良いかもしれません。

両者とも自社ブランド名の店舗で衣料品を販売しています。これは同じです。

でも、ユニクロ(ファーストリテイリング)は、企画、製造、販売までを垂直統合したSPAなんですね。
平たく言うと、自分たちでデザインした服を製造し販売しているわけです。製造部分は外部へ委託するものの、その他は基本的には自社でやります。

一方、しまむらは、他社の開発する商品を仕入れて販売する仕入れ型です。

全く商売の形が違うわけです。

■ イメージと違う


カーブスの売上は、会費収入よりも物販(主にプロテイン販売)の方が高いことがイメージと違うと思う人も多いかもしれません。

これもわりとあることです。

例えば、キッコーマンといえば醤油を思い浮かべるのが一般的です。
しかし、醤油を含む食品の製造販売は、国内に限れば売上の23%に過ぎず、海外と合わせても43%です。半分以下なのです。

実は売上の56%は、海外での食料品卸し売り事業です。完全に醤油の製造・販売事業を上回っています。

四季報写経をしていると、こういう事例にけっこう行き当たります。面白いですね。

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