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アプリの名前はこう決める。

みなさんこんにちわ。2ヶ月くらい掛かりましたがようやくアプリのネーミングが決まり商標申請を行うことができました。(申請が通るかはまだわかりませんが汗)今回、ネーミングを決めるのが「考え方」と「手続き」の両面で結構苦労したので、それについての学びを備忘録的&共有的に記事にします。実際、子供の名前を決める時よりも大変でした(笑)

①ネーミングが決まるまでの3ステップ

私が開発するアプリのネーミングが決まるまでに主に下記の通り3つの行程を踏みました。(世の中のセオリーとは違うこともあると思うのでご了承ください!)

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子供の名付けに例えると、こういった感じでしょうか。
STEP.1 どんな子になってほしいのかを考える
STEP.2 字画や意味から名前を考える
STEP.3 自分のまわりに同じ名前の子がいないか気を配る

ステップ1と2は順番が前後する場合もあるかと思いますが、必ずそのあとにはステップ3の商標調査を踏むことになります。ここからちょっと順を追っていきます。

②STEP.1 商品特性を整理する

STEP.1の商品特性ですがアプリの場合は、
《商品実態の把握》
・商品機能:どんな商品なのか?何が出来るのか?(シンプルであればあるほど良いと思います)
・イメージ:形や色、触り心地や人に例えると?(機能だけでは表せない個性を明確にしていきます)

《使われ方》
・どんなところで:使用する具体的な場所は?外か家か?
・どんな人に:性別や年齢、職業や好みなどは?
・どんな時間に:朝なのか、昼なのか、スキマ時間なのか?がっつりか?
・どんな場面で:場所ではなく、より具体的なシチュエーションは?

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私のアプリの場合は、下記のようになりました。

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こうやって整理することによって、このあと具体的にネーミングを考える時に頭がぐちゃっとなっても立ち戻ることが出来ますし、複数人で考える際のイメージのすり合わせになります。(え?これ男性じゃないの?みたいなことがあるとだいぶ変わってきちゃいます)

③ネーミングを考えるための2つの切り口

さて、商品特性が固まったらいよいよ具体的にネーミングを考えます。その際に主に2つの切り口から考えるといいかなと思いました。

《機能的なネーミング》
そのアプリはどんな機能なのか?何が出来るのか利便性がわかりやすいネーミングです。私のサービスの場合は、「パン」「パン屋」「取り置き」「決済」といった機能を表しながらも、そこに柔らかさや親しみやすさをどう付加するかを考えました。

●実際に出てきたネーミング案(一部抜粋)
TORY・・・取り置きできる「取り」を強調。
PANTORY・・・「パン」を「取り置き」できることを強調。
SAKUTTO・・・サクッと取り置きできる手軽さを強調。

《情緒的価値や提供できる生活を想起させるネーミング》
先程の機能的なネーミングが、「何ができるか?」を表すとすると、この切り口では、「その結果どんな生活が待っているか?」を想起させるものになります。抽象度が上がる分、ツール感が減っていくと思います。

●実際に出てきたネーミング案(一部抜粋)
Pocket Bakery・・・日本中のパン屋さんがポケットの中に収まる感じ。
BREADAY・・・パンが毎日溢れる感じ。
PANDA・・・毎日が「パンだ!」。動物のパンダのキャラとか使えるか。
PANTO・・・パンともっと仲良しな生活を。
OVEN・・・みんなが好きなパンを焼くオーブンみたく魔法のツールに。
EVERYPAN・・・みんなにパンを!エブリワンを掛けて(笑)

どちらも考える際に、語呂感を意識したりダジャレとかも積極的に取り入れていくといいと思います。ダジャレは耳に残りやすいので。

私たちは何度もアイデア出しをして悩んだ結果、SAKUTT(サクット)を選びました。「わー!やっと決まった!」と胸をなでおろしたが、SAKUTTが使えないことが解りました。そう、それが商標です。今あなたが思いついた名前は取れないかも。という意識を持たないと危険です。(私がそうでした。)

④曲者!な商標の「類似」ハードル

商標とは特許庁によると、下記のように説明しています。

商標とは、事業者が、自己(自社)の取り扱う商品・サービスを他人(他社)のものと区別するために使用するマーク(識別標識)です。私たちは、商品を購入したりサービスを利用したりするとき、企業のマークや商品・サービスのネーミングである「商標」を一つの目印として選んでいます。そして、事業者が営業努力によって商品やサービスに対する消費者の信用を積み重ねることにより、商標に「信頼がおける」「安心して買える」といったブランドイメージがついていきます。商標は、「もの言わぬセールスマン」と表現されることもあり、商品やサービスの顔として重要な役割を担っています。

「お〜いお茶」も「写ルンです」も商標がしっかりと取られていて、そうすることでパクられることを抑止しながら、独自のネーミングを使うことが出来るんですね。文字だけではなく、図形や音にまで商標の範囲は及びます。
どういった商品やサービスジャンルで主張するかという”区分”もたくさんあるのですが、それは他のサイトで腐るほど説明しているので割愛します。

商標検索をしていくと、私が決めたSAKUTTという読みは、同じ区分で既に取られていました・・・。「SAQUTとSAKUTTは表記が違うやん!」とも思うのですが、読みが絶対的に強いのが特徴で、意外と抵触します。

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事前にJ-PlatPatという特許庁が作っている特許や商標の取得状況が検索できるサイトがあるので、これをくまなく調べることが大事です!

「これいけるやん!」っていうネーミングが見つかったとしても、弁理士さんにちゃんと調査してもらいましょう。

なぜなら、ここで出てくるのは、既に出願が通ったものしかなく、
・出願中のもの(リードタイムは1年弱)
・出願が却下されたもの
は出てこない為、このまま出願すると実はもう先に出願されていた!みたいなことがあります。これは盲点なので要注意です。

簡単に安く調査〜出願してもらえるToreruさんに私はお願いしました。ちょっと電話の相手の女性が元気なかったですが、親切にサポートしてくれました!5営業日くらいで調査結果と取得可能性を教えてくれて判断できます。そして、取得可能性が高ければそのまま申請を依頼できます。

誰にどう聞けばよいかわからないので、こういうサービスがあって助かりました。

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こうして、色々とネーミング考案&調査するうちに、私のサービスはsacriという名前になりました!(ふぅ。)

⑤会社名とサービス名は同一がいい!

最後にひとつ。これはもう好みでしかないんですが、私は会社名とサービス名は一緒にしたほうがいいと思っています。以前経営していた会社では、サービス名と会社名が違ったのですが、普段お客さまと接するときはサービスを中心に話が進んでいくので、電話とかで「●●(会社名)のものです!」と言っても「は?」となることが多かったんですね。そして結局会社名は名乗らなくなったので・・・一緒の名前にしておけばコミュニケーションコストが下がるのでおすすめです。もし将来色々なサービスを展開するようになったら、その時社名を変えればよいのです!

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