見出し画像

IPコラボの相乗効果:1+1を2以上にする戦略

2024年10月、任天堂公式ポップアップストア「Nintendo POP-UP STORE in TAIPEI」が台北市信義区の新光三越百貨店(台湾の大手百貨店チェーン)に登場し、大きな注目を集めました。会場には多くのファンが訪れ、新光三越の周年祭と連動したマリオグッズのポイント収集キャンペーンや入会特典も実施され、話題性と売上の両面で大きな成功を収めました。
このようなブランドコラボレーションは、現代のマーケティング戦略として一般的となっています。その核心は、両者のリソースと強みを統合し、「1+1>2」の相乗効果を実現することにあります。世界的に有名なIPであるマリオは、その幅広いファン層により、新光三越の来店客数と会員数の増加に貢献しました。一方、新光三越の実店舗と大規模プロモーションは、マリオIPに効果的な露出とプロモーションの場を提供しました。任天堂にとって、この協力の価値はライセンス料だけでなく、ブランドPR、オフラインでの影響力、そしてパートナーの市場優位性も含まれています。
では、IPコラボレーションにおいて、注目すべき重要なポイントは何でしょうか?
IPコラボレーションの4つの準備ポイント:

一、双方のファン層の分析とマッチング
IPコラボレーションの主な目的は、両者のリソースを統合し、より広い層にリーチして話題性を創出することです。コラボレーション時には以下の3つの主要なターゲット層を理解する必要があります: ・既存ファン:ブランド自体の忠実な顧客 ・IPファン:コラボレーション相手のコアサポーター ・新規層:コラボレーションを通じて獲得する潜在顧客
ただし、ターゲット戦略はブランドの現在のマーケティング重点により異なります。例えば、新規会員の獲得が主な目的である場合、新規層を引きつけることができるIPを選び、一回限りの接点で終わらないよう、継続的な関係構築を意識したイベント設計が重要です。

二、  IPの発展状況の観察
コラボレーションするIPを選ぶ際は、現在の市場パフォーマンスだけでなく、周年記念や新作発表、映画公開などの重要なマイルストーンも考慮する必要があります。これらは話題性を高める絶好の機会となります。

また、IPのブランドイメージと市場ポジショニングも重要です。自社ブランドのトーンと合致しているか、ターゲット層の価値観やニーズを代表できているかを検討する必要があります。例えば、主要な顧客層が可愛らしいテイストを好む若い女性であれば、Hello Kittyのような相性の良いIPを選ぶことで、より効果的にブランドメッセージを伝えることができます。
さらに、IPのグローバル市場と現地市場での評価も重要なポイントです。国際的に有名でも現地での知名度が限られているIPの場合、コラボレーションを通じて新市場を開拓できる可能性があります。これはブランドの国際化を推進する機会となり、交渉の際の重要な材料となります。

三、コラボレーション内容の深化
IPコラボレーションは、単なるグッズのライセンス生産にとどまりません。ファンミーティング、展示会、体験イベントなどのオフラインイベントを通じて、ファンとの感情的な繋がりを強化することができます。
さらに進んだコラボレーションとして、IPと共同でオリジナルストーリーや体験を開発し、IPの世界観を拡張させることも可能です。これにより、両者独自のブランド記憶を作り出すことができます。

四、IP側としてのコラボレーション戦略
IP側として、コラボレーションを検討する際は、より包括的な視点で潜在的な価値とリスクを評価する必要があります。以下のポイントが参考になります:
・スタイル協調:例えば、可愛らしいスタイルや動物キャラクターが特徴のIPの場合、同様の要素を持つブランドとコラボレーションすることで、より魅力的な展開が可能です。
・創造的シナジー:予想外の組み合わせで驚きを生み出し、ファンに「意外な組み合わせだけど、とても合っている!」と感じさせることができます。


結論
Win-Winを実現する価値共創 ブランドコラボレーションは単なるマーケティング活動ではなく、双方の価値を共創するプロセスです。IP側として、長期的なブランド価値の発展を見据え、自社の核となる価値と補完し合えるパートナーを選ぶことが重要です。成功のカギは、ターゲット層の理解、適切なパートナーの選択、綿密なイベント設計、そして実行過程での双方の強みの最大化にあります。


いいなと思ったら応援しよう!