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灯りが導く季節に - 週末1000字エッセイ#51

 街を包む灯りの中に、一筋の思い出が浮かび上がる。

 夜道を歩いていると、ふいに耳に届いたのはクリスマスソングだった。軽やかな鈴の音と透き通ったコーラスが、冷たい空気を柔らかく包み込む。「もうそんな時期かあ」とつぶやきながら足を止めた。静岡の冬は例年通り穏やかで、「ダウンジャケットはまだ早いよね」と言い訳を重ねていたわたしも、とうとう袖を通す季節の到来を実感していた。

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