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未来の公共サービスのありかた

デジタル化や、グローバル化の加速が進む社会において、公共と人・組織・社会の関係はどのように変化をしつつあるのでしょうか? 
それらの変化をふまえてどのように具体的なサービスはどのようにデザインされていくべきなのでしょうか?
これからの公共サービスのデザインを実践するにあたり、富士通株式会社とIDL(株式会社インフォバーン デザイン部門)は「PUBLIC BELONGINS」という共同研究会を立ち上げました。
いまの社会のインフラにあるサービスでおきている“当たり前課題があって当たり前の状態” を人・組織・社会というレイヤーから、 当たり前を 見直していきます。そして、現場で起きていることとその課題、またそこに存在する関係性を紐解き、これから向き合うべき問いをつくります。そして「わたしたち 未来の自分たち」がどう社会と向き合い、アクションをおこしていけば未来の社会がより良いものになるのかをデザインの視点から考え、実践をしていきます。

PUBLIC BELONGINGS ―公共という「わたしたち」の居場所

これからの問いを多様な人々と対話し、考え続けながら、実践していきます。その未来はどんなものであればよいのでしょうか。


■当たり前を紐解くための3つのレイヤー、社会・組織・人


日頃、社会インフラにあるサービスにおいて、日頃デザイン実践をしている中で繰り返しおもうことがあります 。それは、みんなこんなにがんばっているのに、どのくらい未来に残せるよいものを作れているのだろうか? というギモンです。

例えば、サービスそのものは良くても、そこにユーザーである人が辿り着かなかったり、逆にサービスを受けているユーザー側も、使いにくいのを承知ですべてを受け流した結果、手間が膨大になることを可としてしまったり。誰しもが持つ経験であるとおもいます。ユーザーとしてサービスに不満をもつ一方で、サービスを提供する側、つまり企業や行政などの組織も、限りある資源の分配で最大限の最適を模索しています。
今の現実は、みんながんばっているのに、少しずつすれ違っているということではないでしょうか。それぞれががんばっているのに、その効果が掛け合わさってはいない現実があるように感じます。すれ違っているのかということさえわからなくなっているのかもしれません。

そこでわたしたちは、この「関係性」を見つめなおすことからPUBLIC BELONGINGSを考えはじめることにしました。わたしたち、つまり人からはじめて、人が集う組織、それを束ねる社会と、見るサイズを変えながら考察をしていきます。


■3つのレイヤーにおけるテーマ


次に3つのレイヤーで扱う大きなテーマを探索していきました。
なぜすれ違いが起きているのか?
それはなにに起因しているのか?
これから議論するためのテーマとして、以下を設定しています。


1.市民の成長 ―社会のレイヤーから
新しいもの、これまでと違うものを受け入れ、そして自分のものにしていくためにはそれを受け入れる人の意識の変革が欠かせません。その意識は文化や理念といったものが色濃く影響しそれぞれの価値観をかたちづくっています。このテーマでは市民ひとりひとりが新しいものを受け入れ、そしてすこしずつ学習をくりかえしながら成長する成長していくために社会では何がどのような機能やモノが必要なのかを考えていきます。

2.資本主義経済と公共 ―組織のレイヤーから
これからの公共サービスをデザインするうえでは公共という大きな社会の一部をつくりあげるためには 、たくさんの人の力が必要です。その力の集約というところにさまざまな組織が存在しています。さまざまな利害や人格が存在する組織が集まり構成される社会において組織というひとりの人格のようなものがさらに組み合わさって、社会をつくっていくときに、今の資本主義経済で誰もが納得して進むことができるのだろうか?
そんな疑問からこのテーマでは考察がはじまります。

3.新・公共のデザイン ―人のレイヤーから
日々の中での経験の積み重ねが、その人の次の行動を決めていきます。こっちの道は危ないから、いつもの道を通ろう、そう思えるのも経験があるからこそ。では、その経験が全くないような世界に急に入らないといけなくなってしまったとき、 個人はどう順応していくのでしょうか? ましてや、人が複雑にしてしまっているルールにすでに時間をかけていろいろな人が築き上げてしまった暗黙知に、どうやって溶け込みますか? 公共という誰でも受ける権利のあるサービスで、一人ひとりの体験が出来るだけ豊かになるためには? という方法をこのテーマでは考えていきます。

PUBLIC BELONGINGS ―公共という「わたしたち」の居場所というコンセプトのもとこれからの問いを多様な人々と対話し、考え続けながら、実践していきます。


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