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知恵者とコミュ(12)共有者の「顔」

 知恵者は孤独者の次に共有者に会う。共有者とコミュニケーションをとって、知恵者の孤独は、しかし、まだ消え去らない。知恵者が「知恵者の固有性を持つ共有能力」を持たない限り、真の孤独は消えない。
 そこで共有者とのコミュを通じて、それを払拭しようとする。しかし、この時、通常の「話し合い」ができると思ってはいけない。共有者との非対称な会話は、知恵者を苦しめる。その理由は、一つには、知恵者が語る言葉を用意していないこと。もう一つは、共有者の「顔」である。共有者の反応は、知恵者を翻弄する。共有者は中心に自分を置くからだ。それが彼のアイデンティティであるから、これを中心から動かすことはそれを同一性にしない知恵者には不可能である。
 そこで、まず受け身になることが、知恵者にとって必要になる。共有者は自己を中心に置くので、必然的に全員とコンタクトをとらなくてはいけない。それを逆手にとってコンタクトを必ず行わせる。知恵者はこの時、生贄を捧げる必要が出る。知恵者の同一性は智慧を司ることである。こうして、知恵者は共有者のブレインとなる。もし知恵者が、コミュを得ると決めているのなら、その知恵者は共有者のブレインとして役立たなければならない。
 今、知恵者は、孤独者を味方につけているので、コミュ能力が一定量存在する。それは、可能性があるということと同値である。

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