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しろがくにおいで 002 友達

ここは高級な空港。展示会を主宰している会社があった。 「これがわが社で開発したダイヤモンドシューズです!」 「おおーっ」 サクラが大げさに驚く。ダイヤがちりばめられている靴だ。 「馬鹿馬鹿しい。あんなもののどこがいいの?」 顔をしかめてシーマが怒る。 「シーマさんは光り物嫌いなんですか?」 ウィトーは情報魔子交換システムの調子を確かめている。いわゆるトランシーバーに当たる。 「嫌いってわけじゃないけどね。それにこだわるのも卑しくて」 そうシーマが気を取り直して言うと、ウィトー

    • ギルティギア雑談 001 石破総理の今後

      ※日本国は消滅しましたが、なぜか成立しているギルティギアキャラの雑談をお聞きください。 ウェイトレス「牡蠣お持ちしました」 トゥレイ(オリジナルキャラクター)「ありがと。そこ置いといて」 闇慈「石破さん、うまくやってくれるかね」 トゥレイ「さあ。意外といいんじゃないかな」 闇慈「いい日本国にしてくれるといいんだけどね」 トゥレイ「私は皆に言いたいことあるけどね」 闇慈「なんだい?」 トゥレイ「組閣で、派閥があったらそれを嫌っていたはずのみんなが、無派閥になったのにまたそれで

      • 知恵者とコミュ(12)共有者の「顔」

         知恵者は孤独者の次に共有者に会う。共有者とコミュニケーションをとって、知恵者の孤独は、しかし、まだ消え去らない。知恵者が「知恵者の固有性を持つ共有能力」を持たない限り、真の孤独は消えない。  そこで共有者とのコミュを通じて、それを払拭しようとする。しかし、この時、通常の「話し合い」ができると思ってはいけない。共有者との非対称な会話は、知恵者を苦しめる。その理由は、一つには、知恵者が語る言葉を用意していないこと。もう一つは、共有者の「顔」である。共有者の反応は、知恵者を翻弄す

        • 知恵者とコミュ(11)助ける意味と親友の出現

           最近新たにこの理論に動きがあったので、話しておかなければならない。人を救うことに意味を見出した知恵者は、その中でコミュニケーション能力を培わないと救いが達せられないことに気付いた。そうすると、今度は孤独者ではなく、共有者が知恵者のもとに現れる。コミュニケーション能力を磨いたせいで、コミュニケーション能力を同じく持つものに目をつけられるのである。この共有者は、大抵は、いろんな人と共有を行いつつ、その中心から集団ごと(あるいは個人ごと)に手を結んでくる。そこには人材の宝庫が潜ん

          小説 しろがくにおいで 001 貧賤

           バスは、貧しい村に来ていた。  バスとは、ある男性の学者の固有名詞だ。  赤い外套を羽織り、緑の短いチョッキを中に着込んでいる。後は薄いベージュ色で、シャツもパンツもまとめている。何より細い目が笑顔のようで、おしゃれな狐さんと言えば、おうと答えるような男だった。  当初から孤立していたとある村の川が決壊して、完全にひとりぼっちになったこの村を調査にやってきたのだ。 「荒れている……。誰も何も耕していない」  バスは現状をかみしめるように、それでいて冷静に事態を見つめていた。

          小説 しろがくにおいで 001 貧賤

          知恵者とコミュ(10)そうやって頑張っていく

           知恵者は、ただ知恵のみある者は、会社の中で特殊な地位にいる。実力者のようにはなれないし、ただの凡人として気楽に生きることもできない。それは、知恵者のみに課せられた人生の使命が存在するからなのだろう。  それが、私は孤独者の世話なのだと思っている。我々は人に教えることができる。そのくせ、人の上には立てない。だから、自分が何かをしたと納得するためには、孤独者が復活するのを助ける以外にない。それが功を奏するかと言うと、前にも述べたようにおそらくそれは望めないだろう。孤独者は孤独者

          知恵者とコミュ(10)そうやって頑張っていく

          知恵者とコミュ(9)日記を書く

           知恵者は話題集めのためにハレの舞台へ赴かねばならない。そしてそのハレを忘れないように、日記にしたためなければならない。  書くときに忘れないようにしたいのは、全体性よりも詳細性であるということだ。アイスを食べるだけでも、ソーダ味を買った、中はかき氷みたいで美味しかった、早く食べないから溶けてきてコップを使って受けたなど、楽しそう(美味しそう)なエピソードは詳細にある。  無理をして毎日書こうとする人がいるが、話のネタはハレにあるので、会社のことまで無理して書く必要はない。も

          知恵者とコミュ(9)日記を書く

          知恵者とコミュ(8)ハレのアンテナ

           知恵者はコミュニケーションの際の必要性として話題作りの方法を知る権利を持っていると私は考える。そのためには非日常=ハレを自分に引き込まなければならない。そのために行われる逆説的心構えというのが、日常=ケの成文化だ。  知恵者は自分の生活をルーティンワークのようなものに落とし込める知恵を持っている。こうすればうまく行く、こうすれば楽に行くというものを文章にして、きちんと心のどこかに貼っておく。それによって日常が安定し、非日常へ安心して歩を進めることができる。非日常に歩が進めら

          知恵者とコミュ(8)ハレのアンテナ

          知恵者とコミュ(7)清潔さ

           コミュニケーションの時、みんなが一番気にするのは清潔さではないだろうか。私個人はそんな見た目の汚さで人を判断するなよと言いたくなるのだが、世の中の人はそう言う目で見ている。でも仕方ないかもしれない。人は汚いものには触れない。  きれいにするために必要な考え方としては、清潔にするのは気持ちいいということだろうか。顔を洗うために水を付ける。すぐにいっぱいつけると冷え冷えしてしまうので、手に少し水を付けて、顔に当てる。この時の気持ちよさと言ったらないのである。面白がって水を顔にか

          知恵者とコミュ(7)清潔さ

          知恵者とコミュ(6)親切と妖精

           人が親切をすべきなのは、みんな分かり切ったことだろう。分かっていてもできない人もいるかもしれない。  大抵親切にできない理由は、コミュニケーションに自信がなくて、相手のありがとうなどに対応できないからというのが理由だったりする。  日本人はコミュニケーションが苦手なので、ちゃんと練習しておけばいろんないいことをするようになりだすと私は思う。そのためには笑顔だし、そのためには挨拶である。これは前回も言ったと思う。  落とし物を届けるケースを考える。物を拾うためにはまず親切心。

          知恵者とコミュ(6)親切と妖精

          知恵者とコミュ(5)冗談の受容

           知恵者が会話をする際、受容しておかなければいけないものがある。それが冗談である。冗談を言わなければ会話はほとんど成立しない。真面目な人間ほどとっつきにくく思われるのは、会話が成立しなくなるからだ。冗談を言えない環境ではセリフは10分の1にもなりかねない。さらに冗談は、うまくやればその場の雰囲気を明るくする効果を持つ。というか、冗談が言えないと、挽回の余地は一切なくなり、息苦しい環境となるだろう。  冗談というのはコツがいって、「全くないこと」を言うのが決まりである。たとえば

          知恵者とコミュ(5)冗談の受容

          知恵者とコミュ(4)会話のコツ パート2

           前回、会話のコツを書いてみたが、まだ少し判然としない人のために、会話を続けるコツを細かく書き表すことにした。暇な人は見ていってほしい。  前回は会話は存在者と存在であるということを言ったが、それだけだとまだとっつきにくい印象を与える人に、四つのキーワードを伝えておこうと思う。このキーワードは一つ一つが独立していて、話すきっかけやつなぎに使えるはずだから、重宝するといい。  まず、最初は、「主体性」である。この意味は、単純に行ってしまえば「なにかをすること」である。要するに何

          知恵者とコミュ(4)会話のコツ パート2

          小説『緑の魔女』

          1月2日。 平和な街、テルエルメロス。  街中が一年の再来に心躍らせていた。街はお祭り騒ぎに包まれていた。  そんななか、福袋を売ることに、デパートの店員はいそしんでいた。 「もうすぐ開店の時間だ!皆さまに福袋と笑顔をご用意して!」 「福がどうか皆様に当たりますように!」 店員がそんなことを言いながら、門を開けようとする。 一方、外ではたくさんのお客様が、今か今かと開店を待ち望んでいた。 ところが。 「皆様、大変申し訳ございません!わがデパートの福袋が何者かに盗まれました!ど

          小説『緑の魔女』

          知恵者とコミュ(3)会話のコツ

           知恵者は孤独者の沈黙に対し、積極的にアプローチする必要はない。大事なのは、何かを語らうことである。人はただしゃべるとき、相手と友好的であると認識するからだ。だから時間稼ぎ的な会話でも、それなりに意味はある。  となれば、まずは語ることがあることが大事である。そのためには、存在者に対して存在を語ればよい。目の前にリンゴがあったら、(リンゴは甘酸っぱいから)「甘酸っぱくておいしそうだね」と言う。それだけで十分である。知恵者は知識を持っているから問題ないはずだ。ただし、専門的知識

          知恵者とコミュ(3)会話のコツ

          知恵者とコミュ(2)知恵者の笑顔

           前回、知恵者は孤独者と関わるべきだという話をした。関係の際、真っ先に習得しなければならないのは「笑顔」である。笑顔は表情の中でも特別な表情である。  他の表情は出現であるのに対し、笑顔は表現的表情である。表現とは、文字通り表に現れるということである。ここで、賢明なる知恵者は疑問に思う。表があるということは、あの気味が悪い裏の顔が存在するのではないか。愚問だと思うかもしれない。しかし、この考え方ができるということは、礼儀が必ずしも普遍的な行為でないことを物語っている。礼儀を重

          知恵者とコミュ(2)知恵者の笑顔

          知恵者とコミュ(1)孤独者との会話

           学問を修めたのみの人間はどこへ向かうべきか。まず、その人に足りないものは人との関係である。ならば、まず知恵者の行うべき行動は会話の修練である。  会話とは、他者と行うべきものであるが、学問を修めたのみの人間に関係する存在はなんであろうか。有力者であろうか。いや、彼らは学問がなくても生きていける。一般人であろうか。いや、彼らは学問を必要としていない。知恵者は学問という形で会話の一片を知っている存在である。その会話を必要とするのは、会話をしたり、生きていく術や頼る術を持たない孤

          知恵者とコミュ(1)孤独者との会話