冬・夜
2月某日の夜更けである。やたらと冷たく乾燥した空気の中で男は一人あてもなく歩いていた。どうやらそこは街灯もコンビニも多くない田舎町のようで暗闇の中、男の持つスマートフォンの光だけが異様に明るく見える。胸ポケットから煙草を取り出し灯をつけると男は何かを思い出したかのように空を見上げる。その視線の先にはシリウスが煌々と輝いている。「あれは何座だったかな。」そうつぶやくと男は煙草の煙を燻らせながらまたふらふらと歩き始めた。
2月某日の夜更けである。やたらと冷たく乾燥した空気の中で男は一人あてもなく歩いていた。どうやらそこは街灯もコンビニも多くない田舎町のようで暗闇の中、男の持つスマートフォンの光だけが異様に明るく見える。胸ポケットから煙草を取り出し灯をつけると男は何かを思い出したかのように空を見上げる。その視線の先にはシリウスが煌々と輝いている。「あれは何座だったかな。」そうつぶやくと男は煙草の煙を燻らせながらまたふらふらと歩き始めた。