味覚
どうやら味覚も人に合わせて成長するようだ。
僕は苦いものが苦手で、ずっとビールもコーヒーも美味しく飲めずに過ごしてきた。それがどうだろう。23歳の夏になっていきなりどちらもすごく美味しいものに感じるようになったのだ。苦手意識をもっていたからそもそもそんなに飲まなかっただけで、本当はもっと前から美味しく飲めたのかもしれない。どうして苦みに強くなったのだろう。
十中八九間違っているし、ロマンを求めすぎだとは思うが年を重ねるにつれて苦い思いをすることが増えて苦み耐性がついてきているとしたら面白いと思う。大人がビールやコーヒーを好んで飲むのはそれだけ苦い思いをしてきたからで、家に帰ってきてビールを旨そうに飲む父親も外で苦い思いをしてきていると考えるとなんだか物の見え方が変わったような気がする。
ビールやコーヒーが美味しく飲めるようになった僕は色々な経験を経て少しずつでも大人になれているのだろうか。