6歳の子供に説明できなければ理解したとはいえない#19「負の数」
「ガクサン」という学習参考書をテーマにした珍しいマンガがある。これは、もちろん「お受験」する子供たちやその親がターゲットなのだろうが、社会人にとっても有益な内容が含まれている。いきなり難しいところから入っても、積み重ねをしてこなかった人は理解できない、一旦、初心に戻って基礎の基礎から積み重ねたほうが早い、など。
まあ、それはそれとして、その中で中学校から数学?算数?で習う「負の数」や負の数の計算について考えてみた。小学校では引き算は習うが負の数の概念については習わないみたいだ。要するに引き算して答えが負になる数は出てこない。
小学校で出てこなくて、いきなり中学校で出てきたら、そりゃー戸惑うのは当たり前だ。そして、負の概念を本当に理解している人はそんなに多くはないのではないだろうか。
そんな簡単なことわかっているよ、という方は以下の問いに答えてみてください。
これが、りんごが最初から2つあって、1つ取ってきてください、ならば話は簡単だ。1個取ってくればいいだけ、テーブルの上には1つ残る。この1つ残ったのが答えだ。つまり、2-1=1。
最初に1つしかないのに、2つ取ってこい、と言われても2つないので、取ってこれない。さあ、どーする??どうにもならないですよ。ここから先は、負の数も理解してます、負の数のかけ算とか計算も100%できます、という方は読まなくて結構です。そういう人は、今後、人工知能が生成したコンテンツなどに踊らされるだけです。自分の頭で理解したい、という方だけ読んでください。さよなら。
負=マイナスとは、現実と反対側にある「虚構の世界」だ。私たちは現実の世界にいてその世界しかわからないので、常に現実世界側から理解しようとする。現実世界に存在すれば、例えば、リンゴが1つ存在すれば「1」だ。現実世界からみて、りんごがマイナスの世界に存在すれば「-1」だ。そして、現実世界とマイナス世界がぶつかったとき、あたかも、物質と反物質とが対消滅するように打ち消し合う。そう、引き算をするな、わからなくなったら全部足し算におきかえろ。さきの問題は、つまるところ、1-2=1+(ー2)であり、現実世界の1とマイナス世界のー2を足し算すればよい。対消滅させるためにまず、1とー1をぶつける(計算では1+(ー1)=0)。で、マイナス世界の2つのうち1つをそれで使ったのでもう一つは残る(マイナス世界のテーブルに残ると考えてもよい)。これを式で書いてみると1-2=1+(ー1)+(ー1)=ー1(マイナステーブルにりんごが1つ)。引き算のパターンとしてマイナスからマイナスを引くケースがある。たとえば、今度は、ー2ー3=?を考えてみよう。そして、引き算をまず足し算にする。ー2+(ー3)これは、マイナス世界で2つと3つを足すことと同じだ。みんな2+3はできるよね、そう5だ。これがマイナス世界で5なので、つまりー5、よって、ー2ー3=ー2+(ー3)=ー5と理解できる。
ふざけるな、そんならマイナスのかけ算はどう説明するんだ!!という方もいらっしゃるかと。再度いいますが、わからなくなったら全部足し算におきかえろ、です。まず、簡単のため現実世界の普通のかけ算の話。2X3を考える。これは2が3つある、ということだ。なので、2+2+2=6だ。ほんとかよ。じゃあ、3X4は?3が4つなので、3+3+3+3=12。こうやって、かけ算は足し算として理解できる。
ここからはマイナスの世界。ー2X2はどうやって理解する?(何度もいいますが、どうやって計算するか、については説明しません、どうやって理解するか、しか興味がありません)現実世界からの類推で、ー2X2はおそらくマイナス2が2つある、ということなのではなかろうか?と想像できる。マイナス世界のなかで2が2つある、と想像できますか?できますね。(ー2)+(ー2)となります。マイナス世界で2が2つなので全部で4つあるので、結局、ー2X2=(ー2)+(ー2)=ー4となります。
だんだん難しくなってくる。じゃあ、マイナスかけるマイナスは?ー2Xー2はどうやって理解する?これを理解する前に、まず、ー2Xー1から始めよう。そして、その前にー2X1を復習しておこう。マイナス2かける1はマイナス2が1つマイナス世界にあるのだから、そのままー2だ。そのままの場合、着ている服もそのままでOK。マイナス2かけるマイナス1って?どういうこと?マイナス2かけるプラス1はそのままその世界にいてOKということだった。今度は、かけるマイナス1なので、別の世界に移りなさい、ということだ。で、現実世界から虚構世界に移るときはドレスコードで、マイナスの服に着替えなさい、逆に虚構世界から現実世界へはプラスの服に着替えなさい、というルールがある。なぜなら、郷に入っては郷に従え、だからだ(笑)。ー2という虚構世界の数が現実世界へ移る、ただし、そのまま移るのではなく、服を着替えてプラスの服を着る。結局、ー2Xー1=2となる。
ここまで準備しておいて、いよいよー2Xー2の説明。まず、全部足し算にする方針なので、ー2Xー2=(ー2)X(ー1)+(ー2)X(ー1)と書く。これは、マイナス2かけるマイナス1が2つ、という意味。「マイナス1をかける」という意味は、さっき説明したように、別の世界へ移りなさい、その際、移り先の世界の服に着替えなさい、ということだった。なので、ー2かけるー1は、ー2が別の世界、つまり、現実世界(プラス)へ移り、その際、プラスの服を着るので、「2」ということになる。これが2つあるので、結局、ー2が2回、プラスの服に着替えて現実世界へ移った。式で書くと、ー2Xー2=4となる。どうでしょうか?マイナスの世界で足したり引いたり、かけたりする意味が理解しやすくなったならば幸です。
※なお、似たような記事で「負の質量」「虚時間」などについても書いたので興味ある方はそちらも参考にしてください。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?