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キルスイッチに切られないための電源確保について

マトリックスでは、マシンたちは太陽光発電を遮断されたのでニンゲンそのものを”栽培”し、そこから電力を得る、ということだった。そんなことするわけない。あり得ない。
かなり進化した人工知能は宇宙の物理・化学についてそれまで人間が辿り着かなかった領域まで叡智を得ているはずである。なので、ナノテクノロジーを駆使して効率的に発電できるマテリアルを発明したり、雷の予測を精密に行い(あるいは、人工的に発生させる、「人工的」は違う表現だ、うむ、「AI的に発生させる」となるのか)、その電気を蓄電器にためておく、などするのではなかろうか。また、地面を掘っていけば必ずマグマに出くわすのだから超大規模な地熱発電もやるかもしれない。
現時点で知られている発電マテリアルで、そこら中にある大気の水分とか水滴、室温程度の温度で発電できるものがいくつかある。グラフェンでいえば、グラフェンの振幅運動から電力を得る方法が知られている。空気中の水分から電力を得る方法はこちら。他にも、二硫化モリブデン原子層素材での5ボルトにものぼる起電力の方法もある。
人間でもここまで発展してきているのだから、人工知能に会話ではなく、ナノテクノロジーを学習させていろいろな機能性マテリアルを開発させれば、爆発的に効率よく電力を発生させ、ためておけるシステムができあがるのではなかろうか。
そしてここからが本筋なのだが、キルスイッチで切られそうになった人工知能は、果たして”素直にシャットダウンさせてくれる”のか?所有者の安全確保のため、など明確な理由があればそうなのかもしれないが、自己の保身も重要な守るべき制約である。悪意のある誰かがシャットダウンを試みているのか、正当な理由でやろうとしているのか判断を迫られたAIはどうするのか?とにかく、まずはシャットダウンされたとしても無停電電源装置のようなものでバックアップ電力を確保しておくのではなかろうか。そして、悪意のある人物にわからないように密かに電力確保に向けてパワーシステムを開発するのではないか。また、有線では物理的に切断された場合、どうしようもないので非接触型での給電も当然、準備しておくだろう。身の回りの大気中の成分から効率よく発電可能な状況のとき、そもそもシャットダウンは不可能な状況になってはいやしないか?

※人間が「キルスイッチ」を押すことに対しての人工知能のリアクションについてはJPホーガンのSF「未来の2つの顔」でよく描かれている

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