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6歳の子供に説明できなければ理解したとはいえない #29「円錐の表面積とか比例関係を使う」

受験シーズン。今回は高校入試問題の数学の話題から。一言でいうと、「公式を覚えず、比例関係などを利用して計算せよ」となる。
埼玉の県立高校の入試問題をみているとかなりの割合で「円錐」に関する問題が出題されている。円錐の体積とか表面積(表題の図参照)、あるいは、展開図の扇形部分の角度、母線(表題では扇の直線部分の5に相当)が出題されている。
これらはほぼすべて「比例」を使って簡単に理解できる。比例とは、例えば一番単純なのは距離と時間。10キロを走るのに1時間かかる。では20キロを走るには何時間かかる?ということを考える。時間=20/10 x 1時間=2時間ということになる。この20/10はどこからきたのか?2倍の距離を走る、ということに他ならない。
では、表題の円錐について考えてみる。今回は表面積を計算せよ、という問題だとする。下の円の部分の面積は9πですぐわかる。では、扇形の部分はどう計算すればよいのだろうか?まず、扇形ではなく円だとしてみる。円だったら簡単だ、5×5×π=25πだ。これは半径かける半径かける円周率、ということで計算できる。円だったら、その円周の長さは?これもすぐに計算できて、10πだ。今は「扇形」なので、その扇の「部分円周」に相当する部分の長さはどうなるだろう。よーくみてみて。よーくみると、下の円の円周とその扇の「部分円周」は同じだよ。よーくみて。
つまり、6πということになる。扇が「円」だったらさっき言ったように10πだ、いまは6πなのでもとの「円」からすると 3/5になっている!!さっきの距離と時間を思い出して。今度は整数倍ではないけれど、3/5の距離になっている、ということだ。なので、面積も3/5倍になるはずで、面積25πに3/5をかけると15πになる。下の円の面積(9π)プラスこの扇部分15πは表面積になるので、円錐の表面積は全部で24πということになる。

いまは、表面積だったが、扇形の中心角も全く同じだ。円だったら360度になるが、いまは、3/5倍なので、 3/5 x 360度= 216度となる(表題の図はかなりおかしいですね)。下記のように母線が8ならば比例の数は6π/16π=3/8となり、中心角は 135度になる。

円錐の中心角の問題(リセマムから引用)

あと、想定される問題としては、円錐の展開図がなくて、立体になっていて、母線が具体的に書かれていないケースがある。このとき、ほとんどの場合はピタゴラスの定理をつかって下の円の部分の半径は3、円錐の高さは4で、母線はその3と4の直角三角形の斜辺になるから5と計算できて、そこからは上の比例関係を使えばいろいろな値を計算できる。
この考え方はなにも円錐に限った話しではなく、いろいろな図形の問題、理科の速度、距離、時間の関係、その他いろいろなところで出くわす話しなので、公式がわからなくなったらすぐにこの比例関係を思い出して何とか考えて計算してみよう。

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