GoodpatchAnywhereにおける「関係性の質」と企業文化の多様性:「成功循環モデル」を深掘りする
この記事では、私が感じている組織による「関係性の質」の違いと、そこに対し同アプローチをするのが良さそうかという話をしたいと思います。
どんな「関係性の質」が「良い」?
GoodpatchAnywhereでは、プロジェクトを通じてクライアントと共創を行うためにダニエル・キムの成功循環モデルにおける「関係性の質」を重視しています。
どのくらい重視しているかというと、共に目指すプロジェクトゴールに向かって目線を合わせるために「私たちが大切にしているスタンス」として、クライアントを含むキックオフで予めその重要性をお伝えし、チーミングを目的としたワークショップを「型」にしている程に重要視しています。特に私達のような副業やフリーランスを含むメンバーで共創状態を作るためには最初のその目線合わせがとても大切だと考えているからです。
ダニエルキムの成功循環モデルが普及して久しく、働く私達が多くの選択肢を持つようになり、成果以上に「生きがい」や「働きがい」を求めるこの社会ではこの重要性はもはや言うまでもないでしょう。
しかしこの「関係性の質」もっと言えば「関係性の質が良い状態」とはどのような状態を指すのかが、企業の文化によって大きく異なることを転職などを通じて実感している方も多いのではないでしょうか。
私自身もクライアントワークや転職を通じて、それを実感している一人です。特にクライアントワークでは、エンタープライズ企業とTech系ベンチャー企業で組織の規模、歴史、そして置かれている市場環境が大きく異なるため、「関係性の質」に対する期待やその実現のための施策も大きく異なっていると感じます。
一般的に言われる、エンタープライズ企業とベンチャー企業における「関係性の質」の違い
以下は、ChatGPTやGeminiに尋ねてみた両者の質の差です。
共に組織構造や事業成長スピードに対する外的な期待の影響を受け、必然的に生まれている「現実」と、だからこそ共創に向けて目指したい「理想」があることが見受けられます。
エンタープライズ企業における「関係性の質」
ベンチャー企業における「関係性の質」
「主語」をどの程度個人に寄せる必要があるか
先に挙げたような一般的な違いも踏まえ、目指す「関係性の質」をチューニングするにあたり、個人的にはキックオフの段階などで『「主語」をどの程度個人に寄せる必要があるか』は一つの見極めの観点だと思っています。
…ちょっと抽象的ですかね。
プロジェクトのキックオフ段階では、主に下記などを定めていきますが、
プロジェクトの目的とゴールの共有
成功の定義(KPIなど)
役割分担の明確化
コミュニケーションルール
加えて、やった方が良いと思うのが『このプロジェクトで「私は」何を得たいのか、「私は」どんなプロジェクトにしたいのか、それはどこから(どんな背景から)来ているのか』という個人主語に引き寄せた言語化だと考えています。
日々忙しく働く私達は、「自分」を置き去りにしてタスクに埋没し、ふと気づけば「あれ、なんで自分こんなことをしているんだっけ」という思いを抱いてしまいがちです。その為、「私」と「仕事」の紐付け・意味付けを忘れないようにしたいと日頃から思っていて、キックオフはその良い言語化の機会だと捉えています。
ただ、この時に気を付けたいのがこの章のタイトルに挙げた「主語」をどの程度個人に寄せる必要があるか、という観点です。
もう少し言えば、「主語」を個人に寄せる「タイミング」とも言えるかもしれません。
「関係性の質」を高めようとした際に、まず「個人」にしっかり向き合う必要がある環境・状況なのか、何か共通のゴールに向き合う中でお互いの価値観が見えてくるという方が適した環境・状況なのかは見極めが必要だなと思うのです。
これは私自身、まだ言語化が足りない部分ではあるのですが、前述のエンタープライズ企業とテック系ベンチャーで言えば、エンタープライズではより「個人」に主語を寄せた言語化、テック系ベンチャーでは完全に個人に主語を寄せて向き合うスタイルというよりは、アートで言う「対話型鑑賞」のようにアートや絵画などの対象物(このケースで言えば企業のミッションや事業計画、プロダクトビジョンなど)を共に眺めながら率直に意見し、その対話の中でお互いを知り合っていくスタイルの方が適しているのではないかと直感的に感じています。(私が所属するグッドパッチもこれが良さそうな気がしています)
ちなみに対話型鑑賞をイメージした「関係性の質」を高める際のポイントは、対象ついての議論だけに留まらず「なぜあなたはそう感じるのか、それはどこから来るのか」に向き合う対話をする姿勢。
あくまで企業のミッションや事業計画、プロダクトビジョンを対象としながら、関係性の質を高めることにフォーカスしたファシリテーションが必要となります。
最後に
つらつらとGoodpatchAnywhereにおけるクライアントワークで大切にしている「関係性の質」から、私が感じている企業文化による向き合い方の違いの話をここまで書いてきたのですが、特に副業やフリーランスとして日々働き、様々なキャリアや文化背景を持っている私達だからこそ「企業の垣根を越えて共創状態を作る」ことは必要条件であり、お家芸になったとも言えるのではないかと感じています。
なんだか毎度のことになってしまいますが、軽ーく宣伝。
もしこんな共創状態をつくる集団の中で、学び合う働き方を模索したくなったら、ぜひぜひお声掛けください!