あのノート
2024.04.05
今振り返れば
はははと笑えるが
当時は、
こんなのもう立ち直れない!
無理だ!
全部全部どーでもいい!
と1人、大泣きした日がある。
大体お分かりだろうが、失恋である。
その時は
本当に一大事で
ごはんが喉を通らないという
典型的な落ち込み方をした。
その時私が編み出した発散方法が
「書くこと」だった。
毎晩、悟りの時間と称して、
今の気持ちを綴るのだ。
私は、書くことで取り留めのない気持ちを
全部全部殴り書きで書き出していた。
一見、悲しみのノートのようだが、
これが、読み返すと面白くて、
日本海のように荒波立っている傷心の中
必死でもがいて生きていて、
人間らしくて好きなのだ。
たぶん、あいみょんだったらこのノートを見て
素敵な歌詞を生み出しているはずだ。
当時の私のすごいところ。
それは、大泣きしながらも
冷静に自分を見つめているところだ。
書き続けていたら、
日に日に気持ちが落ち着いて
ごはんが、美味しいと思えた。
あ、もう大丈夫、というタイミングで
悟りの時間を取るのをやめて、
人と会ったり、美味しいものを食べたり
美しいものを見ようとした。
いろんな方向に発散して、
いろんな方向から小さな幸せを取り込んだ。
ああ〜、懐かしい。
悲しみは、
最大瞬間風速があって、
勢いよく通り過ぎても
時々、ちくちくと痛むが
最大の痛みは、最初で終わりだ。
少しずつ薄れていくのを感じながら
前を向いたあの頃のわたし、
よくやったな。
だからこそ、今があるんだな。
ふとしたときに、
あのノートをめくって思い出そう。
あの頃のわたしよ、
そんなに落ち込むな。
良い思い出だけ、しまっておけ。
✏︎oyug.
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