明日が来ないとしたら・・・
上り坂 下り坂 〇さか
結婚式のスピーチでよく使われる話があります。
半世紀ほど前の昭和の時代には、結婚生活を送る上で大切な「三つの袋」の話をする人が多く、何度も聞かされた人もいます。
一つ目は「堪忍袋」、むやみに怒ったり喧嘩したりしないで、我慢する大切さをいう堪忍袋、二つ目は「巾着(給料)袋」、お金の使い方を間違えないように戒める巾着袋、三つめは「お袋」互いの母親を大切にしてなかよくしなさいとアドバイスする「お袋」、この三つの袋を大切にすることが結婚生活が円満に行く秘けつだと、人生の先輩の来賓が伝えていました。
その次に流行ったスピーチのネタが、「人生には上り坂、下り坂、それにまさかの三つの坂がある。特にまさかは気をつけなければいけない」と伝える「三つの坂」の祝辞が結婚式によく使われました。
三つの坂の原点は親鸞上人といわれ、パナソニック創業者の松下幸之助さんや元首相の小泉純一郎さんがよく使い、結婚式でも流行りのスピーチでした。
この「まさか」は相当浸透しているはずですが、つい忘れがちになります。
「まさか」は常に起きています。悪いことばかりでなく、いいことも、いい悪いがいえないことでも日常的に起きています。
自民党総裁選挙の異変
先般の自民党総裁選挙でも、初めの選挙で一位になったのは高市早苗さんでした。当初の世間の予想では小泉孝太郎さん、石破茂さんに次いで3位予想で、決選投票に残れないと思われていました。まさかの結果でした。党員票も国会議員票いずれも高市さんが一位の完全トップ得票でした。
それで、ほとんどの人が決選投票で高市さんの当選で間違いないだろうと思いましたが、再びまさかが待っていました。初めの選挙で、国会議員の票が少なかった石破さんが、国会議員が多数の投票で、逆転で自民党の新総裁に選ばれたのです。
初めの選挙でまさかの結果が、決選投票でもまさかで二回続けてのまさかでした。
ノーベル賞の驚き
ノーベル賞もまさかでした。
この二年、日本人がノーベル賞を受賞しておらず、三年ぶりの受賞なるか、メディアで盛り上がっていました。
日本がこれまでに多くのノーベル賞を受賞している自然科学の、生理学・医学賞、物理学賞、化学賞の3賞に期待しました。10月7日(月)の生理学・医学賞から始まりました。テレビでは、受賞候補がおられる京都大学などにカメラが配置、受賞会見が準備万端整えられていました。
3日間連続で日本人の受賞はなく、10日(木)の文学賞も、ここ10年ほど候補にあがり、選出されない村上春樹さんにはあきらめムードで、今年も受賞はないものとあきらめていました。文学賞は韓国の女性作家ハンガン(韓江)さんが受賞し、今年はノーベル賞はないと、私の中で完全に断定しました。
何気なく10月11日(金)、テレビをつけたら、ノーベル平和賞受賞の会見がテレビで映し出されていました。日本被団協(日本原水爆被害者団体協議会)受賞の会見がテレビで映し出されていました。
受賞理由は核兵器のない世界を実現するための努力と行動が認められたことです。日本のノーベル平和賞は1974年の佐藤栄作元首相以来50年ぶりで、思いがけない受賞でした。
日本卓球の50年ぶり
いいことですが、これも「まさか」です。13日(日)まで行われていたアジア卓球選手権で女子団体と張本智和選手が中国の選手を決勝で破り、50年ぶりの金メダルを獲得したニュースが入ってきました。今年のパリオリンピックで、中国の卓球の強さを強力に見せつけられたので、最強・中国をやぶっての「まさか」でした。
最後だとわかっていたら
「まさか」が最も衝撃的なのは人の死ではないでしょうか。
私は先日「最後だとわかっていたなら」というタイトルの本に出あいました。
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70歳を過ぎても青二才
私は現在74歳ですが、青臭いといわれます。個性だと思います、長所であり、短所です。この青臭さと、私だけが歩んできた73年の経験、体験をもと…
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