介護とお葬式
こんにちは。
介護のつぶやきです。
従姉妹のご主人が亡くなりました。仲良くしていたご夫婦なのでお通夜とお葬式にワタシがうかがう予定を立てました。問題は最近母親の介護の度合いが上がってきた事です。1分前のことを忘れるので何度も何度も同じ質問をすること。尿漏れが起きると部屋中に尿臭が漂い大変なことになること。ワタシとムスメはもう慣れましたが。
そして最近ですがデイサービスで転んでひざ下を内出血して大変なことになりました。デイサービスの方々も決して介護の手を抜いていたとは思えないのですが、それでも事故は起きるのです。
なので近い親戚なのですが、母親とムスメはお通夜だけお邪魔してお葬式はご無礼する予定でおりました。お通夜のお食事の席でそう申し上げると従姉妹は
「ナニ言ってるの!最後だよ!来てもらわなきゃ困るがね!」
ワタシとムスメは目を合わせて(困ったなぁ)と思っておりました。
「あのね、ワタシ午後は仕事があって母親を見ることが出来ないの。一般の人では母親を見ることが出来ないの」
「なんで見てなきゃいけないの?普通に歩いているししゃべっているじゃないの!」
あー、そう見えるよね。
「まずね。1分前の記憶が無いの。何度も何度も同じことをしゃべるよ。大変だよ」
「それくらいどうしたの」
あ、なかなか一般人の発言だな。ソレを何連発もやられたときガマンできるかどうかだね。
「尿漏れするんだよ。デイサービスの人が見ていてくれても家にいるときでもトイレに行くことを忘れて紙パンツの中のパッドがパンパンになる。ソレがあふれて部屋中がスゴい臭いで充満するんだよ」
と言ったらワタシの兄嫁さんが
「そんなんねぇ、違う環境になったら起きないって」
あー、アナタ昔からお気楽だったよね。うん、皆様にお気楽に介護をと言っているワタシですが、本当は誰しも介護はツラいんです。でもツラいことをツラいと口に出したらもっとツラくなるからお気楽にと言っているんですよ。アナタの言葉は介護したことがない方のお気楽発言ですよね。そんなアナタが母親を見ることが出来るの?
「義理もあるけど大変だから申し上げているんですよ」
「だから大丈夫だって!」
従姉妹が追い打ちします。
「あんたねー!最後なんだよ!」
最後でも何でもアナタ達ずーっと目を離さず母親を見ていてくれるのかい?
従姉妹殿アナタ喪主でしょ。
兄嫁さんアナタ介護経験無いでしょ。
そこに兄嫁さんが追加でお気楽発言
「大丈夫よ。タカコちゃんもいるし」
タカコちゃんは喪主の娘だよね。葬儀もしたことが無いからその人達がどれだけ忙しいか知らないよね。どうにも強く押されたのでワタシのムスメが釘を刺します。
「(兄嫁)さん、尿漏れしたらパンツ換えさせて下さいね」
「大丈夫よ。ちゃんとトイレ行かせるから」
お気楽と無責任は違いますよ。たぶん解っていないけど。
「では、責任持って見て下さいね」
思わず出たワタシの言葉に兄嫁さんは反応しました。
「ちょっと!どういうつもり!お父さん!(兄です)責任持ってって言われちゃったよ!」
まぁ、やってみると解りますよ、とワタシとムスメはココロのなかでつぶやきました。
翌日パンツの替えを入れた袋を兄嫁さんに渡して母親を連れて焼き場に行き午後になって二人は帰ってきました。
「なにも起きなかったわよ」
そう言って連れて帰って来た兄嫁さんの顔には疲労の色が色濃く出ておりました。
だから言ったでしょ。おんなじ事何回もしゃべるって。それに耐えられないなら自分が(面倒)見るなんて言っちゃダメですよ。そして母親のパンツは換えてありませんでした。
高齢で亡くなるようになり家族葬が当たり前になってきた昨今、最後のお別れも今までとは形が変わってくるんでしょうね。認知症の高齢者をお葬式連れて行くのが大変だという事をもう少しだけ理解してくれると介護する側としてはありがたいな、と思いますが。
今回はあまりお気楽なハナシではありませんでしたが、介護される当事者の方はムリせずお気楽に。
介護のつぶやきでした。