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閉鎖的空間

今日も学校に行きたくない。でも行かなきゃならない。十分休憩と昼休みがいちばんの苦痛だった。騒がしい教室の中、見えないものに常に監視されているような圧迫感。

自分の席に座ったまま、クラスの子たちがはしゃいで話をしている横で、まるで興味がないのに、読み飽きた小説を開いてみたりして。

この世でいちばん長い休憩時間。自分の席から動けずに、無表情のままちょっとずつ死んでいく。無視するあの子も、何事もなかったように他では笑う。僕が自分の気持ちや感情をもっとちゃんと伝えられる人間だったら。裏切られたような孤独を感じた。今思えば、あの子とは何も始まっていなかったのかもしれない。

チャイムが鳴り、2人一組になれと言われる。その言葉が僕に鋭く突き刺さり、僕だけまた、取り残される。それでも平然を装い教科書に目を向けることしか出来なかった。たったこれだけの言葉に、こんなにも深く傷つき、長い時間怯えて耐える。誰も知らない。騒つく中で、ひしひしと胸を締め付けられて殺されていく僕を、誰も知らない。分かって欲しかった。

僕が涙を必死に堪えてるのなんてきっと、誰も気づかなかったよな。泣きそうになる度、僕は自分の指にぎゅっと、爪を押し付けた。涙が溢れないように自分を痛めつけた。「今日も泣かずに済む」「やっと今日が終わる、良かった」そんな毎日。そして傷だらけの体を引きずって明日も学校へ行く。

ふざけて、楽しく笑って、それだけでよかった。それだけが出来なかった。

クラスという空間。
閉鎖的空間。今でも悪夢をみる。

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