はじめてのリュート
ここではリュートについて、できるだけわかりやすく、楽しく語っていきたいと思います。
YouTube「おやすみリュート」にて演奏動画の配信も始めます。その動画と連動して楽器や曲の紹介もしていきます。リュートファンのためには「リュートマニア ★☆☆」も用意しました。星の数はマニア度を表しています。
西洋の絵画でリュートを見ました
「はじめまして。リュートを弾いている女の人の絵を見たことがあります。とても印象に残りました。ヨーロッパの古い絵画でした。リュートにちょっと興味があります。」
私もヨーロッパで美術館を訪れた時は、リュートの絵を探して館内を歩き回っていました。なんでもお聞きください。
「絵が好きで美術館を訪ねたり画集を見たり、自分でもちょっと描いたりしています。リュートの曲とかは全然知らないですし、ギターなどの楽器も弾いたことはありません。でも、ちょっと弾けたら素敵かなと思います。」
大丈夫ですよ。最近は「絵でリュートを見て興味を持った」という方も案外多いです。一昔前はギターを弾いているのでリュートへ、という人がほとんどでした。リコーダー愛好家や声楽家、古楽ファンのリュート弾きも増えています。”吟遊詩人”になりたいという人もいましたね。
ちょっと、楽器を持ってみましょうか?
「わあー、軽い!見た目より、ものすごく軽いですね。なんでかなあ?」
あまり高く持ち上げないでね。軽いのは各材料がギターと比べて薄くなっているからですよ。弦も緩く張ってあります。
「なんか 楽に弾けそうな気がします。」
そうです。ギターと比べると力が要らないので女性でも弦を押さえるのは簡単です。当時は太陽にかざした時に、光が透けて見えるほど、薄くて軽い楽器が良いリュートとされました。
「リュートは、ギターのように表面に音の出る穴が開いていないですね。このきれいな飾りのところから音が出るのですか?」
ロゼッタのことですね。透かし彫りです。きれいでしょ。この模様はいろいろな種類があります。表面板の職人さんが一つ、一つ、手作りしています。
リュートのロゼッタは種類が色々あります。リュートの祖先「ウード」の名残です。組紐模様など複雑な形が面白いですね。リュートは基本的には職人さんに手作りしてもらうので、ロゼッタも選んで作ってもらうこともあります。こうした美しい姿にあこがれてリュートを始める人もいるようです。家にあれば飾っておきたい楽器ですね。
ギターとの違い
リュートに近い楽器としてはギターがあります。一般的なギターは弦が6本です。6コースルネサンスリュートと比べてみましょう。
「6本の弦ではなく、6コースですか。コースって何ですか?」
リュートは2本ずつ弦が張ってあります。日本語だと複弦と言うのかな。だから弦の数え方を『コース』と言います。
「それじゃ、6コースだと全部で12本の弦が張ってあるのですね。すごーい!」
えーと、1弦は複弦ではなく1本なので全部で11本になります。
コンサートでも弦の数についてはよく聞かれます。リュートは種類も多くそれによって弦の数や調弦が違ってきます。8コース、10コース 11コース 13コース 14コース と時代が進むにつれ、弦が増えていきます。
リュートには楽器の大きさ、弦の数などによってたくさんの種類があります。
下の写真は我が家の楽器庫です。
ギターの先祖?
中学校の音楽の教科書に「楽器の今昔」と紹介されていました。
今 昔
ピアノ ← チェンバロ
フルート ← フラウト・トラベルソ
ギター ← リュート
大雑把なとらえ方としては、これで良いと思います。クラシックギターの古い時代のレパートリーのほとんどがリュートのための曲です。左手で弦を押さえて、右手で弾く(はじく)という意味では同じです。厳密にはギター属とリュート属では違う仲間に分けることもあります。
「張ってある弦がギターとは違うみたい。」
よく気が付きましたね。これはガット弦です。羊さんの腸からできています。ソーセージやウインナーの皮と同じです。食べられないけど。ギターはナイロン弦やスチール弦ですね。
「そうか、昔だから自然の素材を使っているのですね。ガット弦のリュートって、どんな音がするか聞いてみた~い。素朴な音がするのかなあ。」
そう、そうなんですよ~。ガット弦には、こだわりがあってね。実はガット弦と言うのは・・・
ガット弦のことを語り出すと熱くなって、長くなってしまいます。改めて「リュートマニア ★★★」 にて説明しますね。
リュートの音に興味のある方は下記にてどうぞ。
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櫻田亨 | おやすみリュート
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youtube での動画配信 近日公開