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【書評】『不安が消えてうまくいく はじめてリーダーになる女性のための教科書』

えっ、私がリーダーですか?

「自分はじっくり仕事を進めていくタイプだから、マネジメントには向いてないのに、、」
「人に任せるのが苦手で、、」
「会議の発表やプレゼンで目立つはちょっと、、」
「私より社歴が長い人の方が適任なんじゃ、、」

近年では、女性管理職比率が低いという課題に対して、内部での昇格や、新卒採用も女性を意識したものにしている企業もでてきており、急にリーダーに抜擢されてしまい、こういった悩みを抱えているかたも多いのではないでしょうか。

もちろん、性別に関係なく、最適な人材がリーダーになることが望ましいのですが、やはり、リーダー、管理職は男性のイメージを持っている人もまだまだ多く、女性だから、という理由でなかなか信頼してもらえなかったりと、悩みながら働いている人も増えていると思います。

今回ご紹介する『 はじめてリーダーになる女性のための教科書』は、まさに、急にリーダーを任され、同じような経験をされてきた著者が、不安を抱えている人に向けて、リアルで実際に仕事の現場で役立つノウハウをぎゅっと凝縮して教えてくれる一冊となっています。

書籍の内容から、特に気になった箇所と感想をまとめましたのでぜひ、最後まで読んでみてください!


本の基本情報

著者:深谷 百合子
発刊:2024/6/28
出版社:日本実業出版社

著者の深谷 百合子さんは、大企業の工場で男性の部下が多い中、課長、部長職をつとめられ多数の部下の育成、そしてご自身のリーダシップ、マネジメントを磨いてこられた経歴をお持ちの方です。なんと、日本だけでなく中国の工場でも管理職を務められ、100名以上の中国人メンバーの育成も行ってこられたそうです
現在は、女性リーダー研修などを事業とされる、「合同会社グーウェン」の代表も務められながら、日々、講演や研修を行われています。

まさに、この『はじめてリーダーになる女性のための教科書』を書くのにふさわしいご経歴なので、どんな内容の書籍なのか気になりますね!

本書のテーマ

「私なんてリーダーに向いていないかも」と不安を感じている読者が、成果を出すための具体的なtipsをもとに、徐々に自身をもって「自分らしい」リーダシップを発揮できるようになる一冊だと、私は感じました。

著者が試行錯誤されてきた経験をもとに書かれているため、とても温かさが感じられる内容です。

どんな人におすすめか

本書は以下のような方に、特におすすめの書籍です。

  • 初めて管理職やリーダーに挑戦する女性

  • 職場でのコミュニケーションやマネジメントに悩んでいる方

  • リーダーとしての不安を克服し、自信を持ちたい人

  • 女性リーダーたちの事例を知りたい方

タイトルに「女性」と入っていますが、もちろん男性でも同じように悩んでいるかたには、読んでいただけますし、女性ならではの視点を学ぶ機会にもなるので、性別問わず、おすすめの本となります。

それでは次の項目から具体的な内容に入っていきます!

最初からぜんぶできなくてもいい

リーダーに求められる資質というと、問題解決力、コミュニケーション力、折衝力、共感力、先見性、達成思考、学習意欲など、多角的な力が求められます。

いきなりこの項目をみても、「無理っ!」となってしまいますよね笑

でも、最初からすべての項目が満点、という、そんなスーパーマンのような人は存在しません。得意なところもあれば、苦手なところもあるのが人間です

もちろん、自分が得意なことを伸ばしつつ、苦手な分野にも挑戦することが大事ですが、周りの人にサポートしてもらうこともできるのが、リーダーのポジションです。

本書の中では、今できていないところはすべて「伸びしろ」と書かれています。
リーダーになったから、最初から全部できるのではなく、リーダーであっても、ひとりで仕事をするのではなく、チーム全体で協力して、補いあって仕事を進めることが大事ですね。

また、役割が変わることで、見えるものが変わる、という部分もあります。

みなさんも、新しく興味を持ち始めると、いろいろな情報を調べたくなるように、一般社員だったときには、気にしていなかった各種数値、他部署はどんな仕事をしているのか、来客を迎えるのに受付や会議室は散らかっていないか、などなど、立場が変われば、見えるものも変わってきます。

このように役割自体が、人を成長させてくれたり、役割を持つことで初めてできるようになることもありますね。

引っぱるだけがリーダーではない

リーダーシップ、というと、みんなを盛り上げて、みんなを引っ張っていく存在、というイメージをお持ちの方も多いと思います。

ですが、リーダーシップにも正解があるわけではなく、場を盛り上げるのが上手な人もいれば、穏やで落ち着いていて頼りやすい、など、みなさんも仕事をする中でいろいろな上司、リーダーシップに出会ってきているはずです。

サーバントリーダーシップといって、メンバーの意見を聴く、上から引っ張るのではなく、「下から支える」リーダシップも注目されていますし、著者が実践されてきたことも、この手法に近いと感じました。

達成目標、行動目標はリーダーが一人で考えて、メンバーに実践させる、というやり方もありますが、メンバーひとりひとりが、どんな背景でこの職場で働いているのか、どんなことを達成したいのか、など、意見を行くことで、ビジョンや目標もメンバーと会話して作る方法が掲載されています。

メンバーに画一的な仕事を求めるのではなく、ひとりひとりの特性を知り、個人の特性を生かして、チーム力で目標を達成していく。

リーダーなんだから、「部下に仕事を任せないといけない」と思ってしまいますが、もちろん信頼して任せる部分を作りつつ、「一緒にやる」というスタンスを持つことで、メンバーも不安も解消しながら、育成につなげていく。

まさに、現代に沿った、リーダーシップと言えますね

現場を「知る」

一緒に働くメンバー目線でみれば、リーダーが、現場のことを知ってくれているほど、頼りになることはないと思います。

普段まったく現場を見ていない、数値だけを確認している上司から、叱責をうけても「現場のことをわかっていないくせに!」と反発を招いてしまうことがありますよね。。

逆に、現場を知っている人から指導をされれば、納得もしやすいですし、反省を促すことができますね。

一緒になって、現場を歩くことで、働く人に声をかけるタイミングができたり、会話をしなくても、みんなが「どんな顔をして働いているか」を確認する機会にもなります。

また、何のために行っているのかは分からないけど、以前からの決まりだから、、と実際「ムダ」になっている業務に気づいて、改善したり、不要な業務そのものを無くせる機会にもなります。

リーダーになると、自分の時間が無くなったり、どうしても数値仕事や判断をする仕事が増えてしまうものですが、数値が正しいのか、いつも現場を、自分の目で直接見て、判断の根拠にしているリーダーは必ず信頼されるはずです。

「ありがとう」を伝える

この項目は特に大切だなと感じました。

上の役職の人から「ありがとう」と直接言われると、特にうれしくなるものです。
役職があがるほど、特に、一緒に働くメンバーに、きちんと「ありがとう」と感謝の気持ちを伝えるのが大事ですね。

著者も、上司が部下にお礼を言っているのを全く見かけない職場にもであったことがあるとのこと。

役職がついたから、周りが働いてくれるのが当たり前とならずに、上下関係ではなく、お互いに感謝しあって、助け合える現場を作っていくのも、リーダーとしてのやりがいにつながるかもしれませんね。

また、職場に限らず、人同士のつながりの中で「ありがとう」「ごめんなさい」がきちんと言えることは、年齢、性別にかかわらず、とても大事なことだと思います。

まとめ

今回は、リーダーになる方の不安に寄り添って、自分らしいリーダーシップを見つける手助けをしてくれる不安が消えてうまくいく はじめてリーダーになる女性のための教科書』をご紹介しました。

私も、マネジメントに関わる仕事をしていますが、リーダーは実際大変な側面も多いですし、簡単な仕事ではありません。
責任を感じたり、自分の判断で失敗したら、とプレッシャーを感じることも多くなります。
ですが、その中で、自分のことが、と矢印が自分の方向ばかりになっているところから、一緒に働くメンバーと一緒に悩んで、協力して仕事を行っていく中で、みんなの働きやすさ、全員で助け合って目標を達成するには、と徐々に矢印を外に向けていけるタイミングが、必ずやってきます

この本は、著者のご経験に基づく、56のtipsと具体的な事例から、そのヒントをたくさんもらえる書籍になっています。

いま不安を感じていたり、自信が持てない方の、助けになってくれる一冊なので、ぜひ本書を手に取ってみていただければと思います。

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本書は、「ツナグ図書館」の活動を通じて、著者の深谷 百合子様よりご恵贈いただきました。
この場でお礼を申し上げます。
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最後まで読んでいただきありがとうございましたmm


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