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人生の師


森 信三

今、府立図書館で借りたこの本を読んでいます。
その中で152ページ 5月17日 人生の師 より

 われわれ人間というものは「師」を持たねばならぬ、もしそれが終生をつらぬく「人生の師」であったなら、それはこの世における最上の幸せであるといえましょう。
 それはどうしてかと申すならば、書物に書かれた真理を平面的だとすれば、「師」を通して得られる真理は立体的だからであります。
 と申しても、決して書物が無用だとという意味では毛頭ありませんが、しかし書物以上に、人生の深い真理は、一人の生きた人格において初めていかされているからであります。
 かくして、人生の真理について、身を以て探求しようとする人は、まず自分と縁のある人びとの中で、自分がもっとも深く尊敬できると共に、その人間類型の上に、どこか一脈通じうるものを持っている人を「師」として立て、心を空しゅうしてその方に学びながら、しかも反面には、真に自分を育てる者は自分以外にはなく、そうした点からは、いかに卓れた「師」といえども、こちらにそれだけの確乎とした心構えがなければ、いかんともし難いものだという、この人生最深の真理をしっかりと身につけることが大切だと思うのであります。
         ――全世代に贈る新たななる「人間の学」

ということらしいですけど、私の場合、75年の人生で、「師」と仰ぐ方には残念ながら遭遇しておりません(涙)。

「歎異抄」における「親鸞」と「法然」の絶対的師弟関係だとは想像がつきますが・・・


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クラちゃん
嬉しい限りです。今後ともよろしくお願いします。