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空海&嵯峨天皇

『空海の風景』を旅する 第8章 空海と最澄 から引用

 空海はのちの嵯峨天皇との交友においても嗅ぎとれるように、自分と天皇との関係を対等というより、内心は相手を手でころがして土でもまるめるようなつもりでいたらしい気配がある。
 しかし露骨にそれをあらわせば地上の権力というものは何を仕出すかわからないために、自分の密教をもって鎮護国家を説き、あるいは教王護国などといって恩を売りつけ、地上の権力を自分の道具として思想の宣布をはかろうとした。(『空海の風景』二十)

この件が、最初読んだときからお気に入りでした。
所期の目的を達するために、時の権力と言えども利用してしまう。
私の好きなパースペクティブ「視角と展望」です。

桓武天皇の寵愛を受けた最澄との違いですが、また別の機会に書きたいと思います。

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クラちゃん
嬉しい限りです。今後ともよろしくお願いします。