見出し画像

【オヤシル白書】30代・40代中心に親への気になりごとを調査。回答者126名の声を徹底レポート!

オヤシルの武田です。
「自分も家族も大切にできる老後を迎えられる社会」をミッションに、
親子間ではなかなか話し合えない、これまでの大事なできごとや、これからの想い(やりたいこと、介護・終末医療などのもしものときの意向)を親へお伺いし、記録に遺してご家族に共有する「オヤシルインタビュー」を提供しています。

今回、オヤシルは「親へのご関心・理想を伺うアンケート」を実施し、7/30時点で126名に回答いただきました!(ありがとうございます!)

みなさまの集めた声を分析する中で、非常に示唆に富む結果が出たので、「白書」としてお届けするべくこのnoteを書きました。

白書:政府が国政の各分野の現状と課題をひとまとめにして報告書の形で広く国民に提示する公文書

コトバンクより

そもそも、外から見えづらい家族の話題。なかなか家族・親子間の関心を定量的・客観的に触れる機会は少ないかもしれません。それを開かれた情報としてお届けする意図を持ったこのnoteが、「自分も家族も大切にできる、これからの親子・家族関係」に向けて何か寄与できると嬉しいです!

興味がわいた方は、ぜひお読みください。そして、ぜひご自身の親御さんへの関心に思いを馳せるきっかけになれば幸いです。

【1】親への気になりごと・関心についての調査結果~126名の回答データより~

なぜこのアンケートを実施したいと思ったか。

親への関心の全体像が調査されたデータが見つからなかったからです。

”介護” ”遺産・相続” ”土地・家の管理”など、どれも「これを備えておいた方がいい!」という情報は多いですが、結局自分はどんな気になりごと・懸念・不安を、親とのこれからに対して感じているのだろうか?
それをみなさんと考えるきっかけをオヤシルで創りたく、アンケートという形で実施しました!

アンケートは8月末までご回答を募集したいと思います!
アンケートに答えていただくことで、ご自身の親御さんへの関心が分かる設計にしているのでよかったら、ぜひご回答をお願いします!(回答時間:6分程)

結果の前に、回答者属性について

回答者属性です。年齢構成は、82.5%が30代・40代。性別でいくと63%が男性、残り37%が女性でした。2024年6月16日まで実施していた、オヤシルのクラウドファンディングの支援者や、Facebookで協力を依頼しご回答いただきました。

結果のサマリ!

情報量が多いので、先んじてサマリを、こちらに記載します。

■オヤシルのアンケートで分かったこと(n=126名)
・親のことで気になっていることが「ある」:90.5%
・テーマ別_親への関心<TOP3>
 -1位「医療・介護」  :90.5%
 -2位「老後の健康」  :87.3%
 -3位「老後の生きがい」:62.7%

他の選択肢には「土地・家」「遺産・相続」「老後のお金」「墓・葬式」を用意しましたが、親への関心は上記の結果となりました。
親が年齢を重ねていく中で、親に対する健康への懸念や関心は多くの人が持っているようです。また、これらの健康に対して何か問題や転機が生じてこそ、「家・土地」や「遺産・相続」といった、経済的な問題が親子間で顕在化してくる、もしくは関心が高まる、という性質があるのかもしれません。

■他社調査より
①「介護・医療」は気になっているが、9割が親子で会話ができていない。
②会話ができない理由
 -子:「何をどう話したらよいか分からないから」…71.6%
 -親:「迷惑をかけたくないから」…90.3%
    「きっかけがないから」…65.5%
医療介護の必要性が起こってからでは遅い
 命の危険が迫った状態になった「約70%」の方が、これからの医療やケア 
 などについて自分で決めたり、人に伝えたりすることができなくなる。

■今回のレポートでの最も重要な示唆
・親の「介護・医療」が気になっている…9割(テーマ別の1位の関心事)
・しかし「介護・医療」のことが話せていない親子…9割
・命の危険が迫った時、これからの「介護・医療」を自分で決められない・人に伝えられない人…7割

つまり、9割×9割×7割=約57%の人が、気になっているのに「医療・介護」のことを聴けないがあまり、親の意向が分からないまま、医療・介護に向き合うことになってしまうかもしれない。

このことは「自分も家族も大切にできる老後を迎えられる」状態を目指すオヤシルにとっては、衝撃的でした。そして、だからこそみなさんに知っておいていただきたい内容だと思いnoteにすることを決めました。

以上がサマリになります。以降は、詳細の調査レポートです!
最下部にオヤシルインタビューの紹介もしております。今ではなくても、読んでいただいた皆様の一つの選択肢として心に留めておいていただけると幸いです。

1.親のことで気になっていることが「ある」:9割

126名中の回答、114名(90.5%)の方が「ある」と回答しました。
多くの人が何かしらの、親に対する関心事を持っているという結果に。

2.テーマ別_親の「医療・介護」「健康」に9割が気になっている

では、どのような親へのご関心があるのでしょうか?

今回の調査では、「介護・医療」「家・土地」「遺産・相続」「墓・葬式」「老後のお金」「老後の健康」「老後の生きがい」の7つのテーマを設定し、4件法(1:まったく気にしていない、2:あまり気にしていない、3:やや気になる、4:とても気になる)で、問いを設定しました。

以下のグラフでは、テーマ別に「3:やや気になる」「4:とても気になる」とご回答いただいた方の人数と割合を示しています。

これを見ると、「医療・介護」「健康」は9割ほどの人が気になっている、という結果になりました。親が年齢を重ねていく中で、親に対する健康への懸念や関心は多くの人が持っているようです。
また、これらの健康に対して何か問題や転機が生じてこそ、「家・土地」や「遺産・相続」といった他の問題が親子間で顕在化してくる、あるいは関心度合いが高まる、という性質があるのかもしれません。

また下記のグラフはテーマ別×関心度別でグラフにしたものですが、
「4:とても気になっている」と回答いただいた比率も、
・1位:医療・介護  ・・・49.6%
・2位:老後の健康  ・・・47.2%
・3位:老後の生きがい・・・31.5%

と上記グラフと同様の項目で関心度が高いという結果になっています。

9割ほどの方が、「医療・介護」や「親の健康」について気になっており、約半数は、強い関心を抱えている結果となりました。

3.気になるけど、9割が「準備ができていない」(All aboutより)

気になっている「医療・介護」や「健康」の話。では、その関心を世の中の親子はどのように扱っているのでしょうか?具体的に何かアクションはできているのでしょうか。以下の引用をご覧ください。

親の介護の準備をしていると回答したのは1割で、
約9割とほとんどの人が準備をしていない
ことがわかりました。

「まだ先?」は大間違い。40代から準備すべき「親の介護」に関する調査を発表。

こう伝えるのは、総合情報サイト「All About」を運営する株式会社オールアバウトの調査です。人生100年時代といわれる今、生活者が漠然と感じている“不安”について調査が詳細にレポートされています。

ほとんどの方が備えができていない。そして、備えができていないというのは、親子でその話題を交わすことができていない状態であることも見えてきます。

4.親と、介護になったときの話ができている親子は「11%」

「まだ先?」は大間違い。40代から準備すべき「親の介護」に関する調査を発表。より加工

親と話したことがある内容を、上記のグラフで見てみると、「親の健康状態について」は52.5%と半数以上の親子ができている一方で、「親の介護が必要になった際のこと」は11.5%の人しか話せていません。

約9割の方が、介護の意向については会話ができていないのです

5.なぜ話せていないのか?(ダスキンより)

関心があるにもかかわらず、なぜ話せていないのか?

株式会社ダスキンの、『「親のいま」に関する親子2世代の意識調査』によると、親・子それぞれの話し合わない理由が定量的に示されています。

【子世代】60代以上の別居する親がいる男女 1,000人のうち、「親の老後」について真剣に話合ったことのない669人を対象にした回答結果

子世代が親と老後について話し合わない理由は、「何をどう話したらよいか分からないから」が最上位。7割の方がこの理由を抱えているようです。

続いて、親です。

【親世代】60〜70代以上で、別居の子がいる男女 1,000人のうち、これから・老後について真剣に話し合ったことのない816人を対象にした回答結果

親世代が、子とこれから・老後について話し合わない理由は「迷惑をかけたくないから」が第1位で90.3%のもの人が回答しています。また3位の「子供に頼ることを想定していないから」(85.5%)も、子から聴かないかぎり、親子間で「気になりごと」として残り続けるなと感じます。しかし、親としても「きっかけのなさ」(65.5%)を抱えてい話せていないようです。

子は、「何を切り出したらいいか分からない」
親は、「子に迷惑をかけたくない」「きっかけがない」。
こんな理由から親子の「医療・介護」の会話はなかなか進んでいかないようです。

***
ここまで、オヤシルが実施したアンケート調査と、他社の調査を踏まえ、親とのことで、”「医療介護」が一番関心を集めるテーマ”であるにも関わらず、”親子間で会話ができていない”
という30代・40代の課題感があることをお伝えしてきました。この課題感の払しょくのため、何か手段はあるのでしょうか。

厚生労働省が取り組みを普及しようとしています。
その名も「人生会議」です。

【2】何を話せばいいかの羅針盤~人生会議~

「人生会議」とは、アドバンス・ケア・ プランニング(Advance Care Planning)の愛称です。アドバンス・ケア・プランニングとは、あなたの大切にしていることや望み、どのような医療やケアを望んでいるかについて、自ら考え、また、あなたの信頼する人たちと話し合うことを言います。

https://www.med.kobe-u.ac.jp/jinsei/about/index.html

人生会議が必要な背景

誰でも、いつでも、命に関わる大きな病気やケガをする可能性があります。

命の危険が迫った状態になると約70%の方が、これからの医療やケアなどについて自分で決めたり、人に伝えたりすることができなくなるといわれています。

もしも、あなたがそのような状況になった時、家族などあなたの信頼できる人が「あなたなら、たぶん、こう考えるだろう」とあなたの気持ちを想像しながら、医療・ケアチームと医療やケアについて話合いをすることになります。

その場合にも、あなたの信頼できる人が、あなたの価値観や気持ちをよく知っていることが、重要な助けとなるのです。

同上

7割の人が、医療やケアを自分で決められなくなるタイミングを迎えます。しかし、その話題について9割の人は、会話ができていない。

こうした実態に対して、「話し合っておくといいよ」という内容を提示してくれるのが、この人生会議の一つの意義です。

人生会議で、話し合うこと

では、実際どのような内容を話合うのでしょうか。
神戸大学と厚生労働省が作成した「ゼロからはじめる人生会議」の項目から、いくつか抜粋してみましょう。

もし生きることができる時間が限られているとしたら、大切なことはどんなことですか?

過去の経験から考える理想の医療やケア・望ましくない医療やケアについて教えてください。

延命治療・終末ケアの意向について。「生き続けることは大変かもしれない」と感じる状態になったとしたらどのように過ごしたいと思いますか?

個人の感想ではありますが、「普段はなかなか切り出せない」「漠然と気にかけてはいたが、言葉になりきらなかった」設問が用意されているのが分かります。一方で、答えるのは「選択式」になっています。まずは感覚的に選んでみることができる仕様です。

「人生会議」も未だ普及率は高くありません。が、今回の調査で見えた、
多くの人が、親の「健康」「医療・介護」のことが気になっているが、話敢えてはいない現状に対して、「どんなことを話せばいいか」の有効な選択肢としてぜひみなさまに知っておいていただきたい取り組みです。

【3】オヤシルはあなたの選択肢です

私が代表を務めているオヤシルのサービス「オヤシルインタビュー」も、
親へのインタビューをする中で「人生会議」の項目をお伺いし、記録に遺してご家族に共有します。親御さんに、これまでの大事なできごとからお伺いすることで、価値観・好き・大切に繋がりながら、「人生会議」に向き合うため、親御さんも自然と考えが深まり、言葉になっていく時間になります。

「何を聞けばいいかはわかったけど、やっぱりこのテーマは自分からは聞きづらいな」という方はぜひ、一度HPを覗いてみてください。これまでのご利用者の感想等が記載されています。ご利用に興味がある方は無料面談から承っていますのでお気軽にお問合せ下さい。

「親を知りたい気持ちはあるけど、うまく話せない・聴けない」
そんなときのお供として、ぜひオヤシルインタビューも皆様の一つの選択肢として頭の片隅に置いておいていただければと嬉しいです。

****
オヤシル白書いかがだったでしょうか。
夏休み、お盆シーズンで実家に帰省される方もいらっしゃると思います。
ご家族と豊かな時間をお過ごしください。

そしてそして、再度になりますが、
ぜひアンケートにもご回答いただけると嬉しいです!

最後まで、お読みいただきありがとうございました。

オヤシル株式会社 代表取締役 武田勇


【補足】オヤシル_親へのご関心・理想についてのアンケート(7/30時点)の回答者属性

1.回答者属性_性別

2.回答者属性_年齢構成

いいなと思ったら応援しよう!