子どもの“気づく力”を信じていますか?
親が“教える”より、
子どもが“気づく”ことの大切さ
子どもが気づく瞬間の「力」
子どもは毎日、小さな“気づき”を通じて成長しています。
例えば…
ブロック遊びで「うまく積めない!」と悩んだ子どもが、自分なりに試行錯誤し、「こうすればいいんだ!」と気づいた瞬間。
子ども同士のけんかで「お友達が泣いちゃった…」と感じ、自分からおもちゃを返したり「ごめんね」と言葉にする瞬間。
このような気づきは、単にその場を乗り越える力ではなく、
🌱問題解決力
🌱自分の気持ちを整理し、相手を思いやる力
🌱自分で考えて行動する自信
こうした「生きる力」の土台を育てているのです。
保育士として見てきた
「子どもが気づく力」
保育現場で感じるのは、子どもは本来「自分で気づく力」を持っているということ。
ただし、その力が伸びるかどうかは大人の関わり方次第です。
例1 遊びの中で試行錯誤する姿
子どもはおもちゃを手に取ると、自分なりに考え、試し、何度も失敗しながら進んでいきます。
うまくいかなくて苛立つ子もいますが、こちらがすぐに「こうすればいいよ」と手を出すことはしません。
代わりに「先生も一緒に考えてみようかな?」と声をかけるだけで、子どもは落ち着きを取り戻し、再び自分のペースで試行錯誤を始めます。
この瞬間、子どもは「自分でやろうとする力」と「諦めない力」を身につけています。
例2 子ども同士のトラブルを見守る姿
子ども同士のけんかやトラブルの場面は、大人が「正しい答え」をすぐに出すこともできます。
でも、あえて「ギリギリまで見守る」ことで、子どもたちは自分なりに考え、気づき、行動し始めます。
例えば…
おもちゃを取られた子が、最初は怒って手を出そうとするものの、「やめて」と言葉で伝えようとする。
泣いてしまったお友達に対して、何も言わずにおもちゃを返し、申し訳なさそうにする子。
こうした行動は、大人が教えたわけではありません。
子どもたち自身が「自分で感じ、考え、気づいた結果」なのです。
この経験が、子どもに「他者との関わり方」や「自分の気持ちの伝え方」を自然に育んでいきます。
親や大人ができる
「気づきを支える関わり方」
子どもが気づく力を伸ばすためには、次の3つを意識することが大切です。
1. 先回りしない
すぐに答えを教えず、「どうしてみる?」と一言声をかけて待つ。
2. 感情のフォローをする
苛立ちや失敗で泣きそうなとき、「悔しいよね。でもどうしたらうまくいくかな?」と気持ちを受け止めながら導く。
ただし、解決策をすぐに言わず、子どもの気づきを待つ。
3. 小さな気づきを見逃さない
子どもが自分で気づき、解決した瞬間に「今、自分で気づいたね!すごいね!」と声をかける。
小さな成長や挑戦に気づき、しっかり伝えることで子どもは自信を持つようになります。
4. 気づく瞬間を奪わないことが「生きる力」になる
子どもが気づき、考え、行動する力は、将来、壁にぶつかったときに乗り越える力になります。
「どうすればうまくいくかな?」と考える習慣。
失敗しても「もう一回やってみよう」と思える心。
他者の気持ちに気づき、思いやる姿勢。
これらは、大人がすぐに「正解」を与えてしまっては育たない力です。
だからこそ、見守る時間を大切にしてほしいのです。
教えすぎない勇気を持つ
教えることよりも、子どもが「自分で気づくこと」。
それこそが、子どもの自信と成長を引き出す鍵です。
保育士として、子どもたちが遊びやトラブルの中で何かに気づく瞬間を見てきました。
その姿を見守る時間は、子どもだけでなく、親や大人にとっても「信じる力」を育ててくれます。
子どもが何かに悩み、うまくいかないとき、すぐに手や口を出すのではなく少しだけ待ってみてください。
その「待つ勇気」こそが、子どもの「気づく力」を育てる最大のサポートになるはずです。
今日、子どもの小さな気づきに出会えたら、ぜひその瞬間を一緒に喜んであげてください。
その積み重ねが、きっと子どもの未来を作っていくのです。