体毛と私
すごくカミソリ負けする肌質。保湿してもかゆくてたまらないし赤くなるので、極力剃りたくない。
ですので、以前は極力剃らなくてもいい服装を選んできました。冬はもちろん長袖にタイツ、夏はユニクロ夏用カーディガンにレギンスまたはタイツ。
でもまあ、腕まくりして毛が出る程度はまあいいかなーぐらいのスタンス。
という感じだったのですが、3年くらい前の夏、もう暑い無理、と思って、ノースリーブブラウスの上から着ていたカーディガンをやめました。脇毛は剃るとかゆくなるので剃りませんでした。
その姿はお察しの通りです。
開き直った私もさすがにちょっと気になって、夫に「これ腕上げると脇毛見える?」と聞きました。「上げなくても見えるよ」と言われました。「そうか」と思いました。
それだけ。剃りませんでした。
いったん生やした状態に慣れたら、剃る必要性を感じなくなっていたのです。いやむしろ、剃りたくなくなった。
男にも女にも平等に(体質の差はあるけど)脇毛は生えるじゃん。でも男の人の多くは剃らないじゃん。剃るか剃らないか、どちらかがスタンダードって決まってるわけでもないし、それならカミソリ負けして脇を真っ赤にしてまで無毛にする義務、私にある?
私の脇毛に精神的苦痛を受けて死ぬっていうなら剃ったらんこともないけど、そういうんでもないなら剃らない。
と思って、そのまま一夏過ごしました。
しかしその一年後、脱毛サロンに通う私の姿があった……
理由は、バレエのときにさすがに見苦しく感じたから。それだけです。
職場の制服は半袖だったけど、腕毛フサフサで気にせず過ごしてた。(ちなみに生え揃ってくる途中は濃く感じるけど、生え揃ってからしばらくすると薄くなったように感じます。試してみてください)
でもバレエはね……フサフサのバレリーナって(たぶん)いないから……きれいに伸ばしたつもりの腕がフサフサだと、さすがの私もこれはないなって思ってしまって……
脇に関しても同様です。
という訳で、肘下と脇をサロン脱毛しています。
ついでに、結婚式前にも背中と二の腕をやりました。
脇毛を生やして過ごした夏に後悔があるわけではない、でもバレエあるし、無くすか、体毛……
と、一瞬は思いました。
サロン脱毛って基本のプランは何回いくらというシステムですが、背中と二の腕の分がこないだ終わりました。
私は元々毛深いので、回数の追加を勧められることは分かっていました。でも高いからどうしようかな……と迷っていたところ、次のような店員さんの誘い文句。
「まだ毛質も密度も残っていて、まだ今の状態だと生えちゃってるな~って感じなんですね。この機会に無くしてしまわないと……」
生えちゃってる……とは……
それは……そんなに悪いことなのか……?
ムダ毛は悪! っていうニュアンスを勝手に感じ取り、なんか、急に私の体の一部を否定されたような気分になったんですよ。
サロンのお姉さんからしたら理不尽極まりないですね、今まで脱毛に通ってきた客にそんなこと思われて……
(もちろん穏便に断りました)
でまあ、結局体毛生やしっぱなしでいいじゃないか~と思って生きることにした私ですが、電気シェーバーの導入によってカミソリ負けとの決別を果たし、スカートのときはすね毛を剃るようになってしまいました。ブレブレやな。
何かに屈した感は否めません。毛がない方が美しいに決まっている、という価値観からは結局逃れられていないのですから。
ですが、エマ・ワトソンに非モテの男と付き合う義務がないように、私も「体毛の有無で美しさは定義されない」という主義を体現する義務はないので、人が体毛生やしっぱなしにしてるのは気にしないよ~全然いいじゃん~とだけ言っていればいいと言えなくもない。
そういえば腕毛フサフサの写真撮ってたのも彼女じゃなかったかな?
体毛と一口に言ってもいろんな部位の毛があるし、私は自分の毛に関しては、足の毛は剃るけど腕と脇はバレエがなければ別にいいかなと思っていて、そのへんの感覚も色々だと思います。
でも生やしてたからって他人にとやかく言われることではない、ということは言える。痛い思いをしてまで体毛を隠蔽する必要はないのだ。生やすも生やさないも自由であります。
でも、「夏だ! 脱毛しないと死ぬ!」っていう広告は、燃やしたいなと思います。どーっちでもいいんやで。