
【詩】少年の詩
ないものばかり目について
吸い寄せられるように窓の外を見た
チョークの砕ける音と
機械のようにしゃべり続ける大人の声
プリントを配るたびに見せる君の水晶は
夜空に浮かぶ片方の月のよう
シャツも制服もベルトも
小さな僕をより小さく見せるだけ
吹けば飛んでいきそうな頼りない心に
教科書も本も誰も答えてくれやしなくて
ちっぽけな見栄と虚栄
チャイムの音に誘われる彼は誰時
下駄箱にこだまする口笛の音
少年の詩
2020年7月29日
『少年の詩』
taiti
いいなと思ったら応援しよう!
