2024年大予測座談会④ - 上司は名司会者たれ
2024年はどんな年になるか? というテーマで始まったこの座談会。
前回の渋沢栄一さんの話から発展して、働くことへの意識に話題が展開しました。
1.お客様の課題
ゆーりママ:私たち自身が、どういう社会を創りたいかを考えて、実行していくという姿勢は、渋沢栄一さんから学ぶところが大きいと思います。
たま:最近、お客様先に訪問すると、「一人ひとりが経営者意識を持ってほしい」ということをよくお聞きします。先ほどの話ともつながると思うのですが、「ぶら下がっている社員はもういらないですよ」、ということなのかなと思いながら、お客様のお話を聞いています。ずっと以前から言われていたことだと思いますが、今の社会を踏まえて、経営者視点というか、自分で自分を動かすとか、周りをマネジメントするというのが求められているなと痛感しています。
ゆーりママ:今のビジネスパーソンは、「お手本絶対主義」で育ってきている人が多い。要するに、お手本を真似ることに終始して、お手本を超えて、自分のやり方を試したり意見を言ったりすることができないという問題がありますね。また、その考え方が行きすぎて、「上が偉い・何でもできる」という呪縛にかかっているのですよ。それぞれが、「自分が社長だ」という意識が持てなくなってしまう。
あずき:上も上で、自分のやり方を押し付けて、それができないと「今の子たちは…」となってしまっている。
たま:日本人らしいというか、真面目で従順なのが1番というところがありますよね。
ゆーりママ:「従順」を持ち上げすぎですよね。
2.会社は誰のもの?
あずき:ジェックには、「会社は誰のもの? → 自分のものと思う人のもの」という言葉があるんです。ジェックに転職してすぐ、この言葉を聞いて、すごく感動したんです。要は、社長じゃなくても株主じゃなくても、この会社は私のものなんだって思ったら、自分でこの会社をもっと良くしようと思うようになるし、お客様にももっと喜んでいただきたいし、と考えるようになりました。「会社は私のもの」と思うだけで、経営者意識とはちょっと違うかもしれないんですが、仕事への取り組み方が全然変わるなと実感しました。いわゆる第2新卒だったので、早い段階で、この言葉に出会えたのはラッキーでしたね。そういう風にみんなも思ってほしいなと思うんですよね。上が決めてくれないと私たち動けませんとか、上が決めたことだから仕方なくやってますとか、そういう風な人がね、1人でも減るといいなと思いますね。
ゆーりママ:そうやって意識をもっていくと、本当に仕事が充実して楽しくなりますよね。そのためには、本人の問題だけではなく、お手本絶対主義をやめた方がいい。トップや管理職が、リードする存在、つまり、リーダーではなくて、社員の自発性やアイデアを引き出すファシリテーターになるべきだと思うんですよ。名司会者。バラエティ番組でも、長く続く番組は、出演者の面白いコメントや人間性を引き出す司会者がいることが多いですよね。ファシリテートをしながら、いい仕事をみんなで作っていけたら。そんな会社がいっぱい増えるといいですよね。
あずき:上司は自分が上に立つのではなくて、一緒にそれぞれの強みを発揮していこうということですよね。
ゆーりママ:はい。上司が一番じゃない。自分の強みで上司を突破していかないと、新しいことは生まれないですもんね。
たま:新しい仕事のやり方に変えようとすると、そのスキルが必要になりますよね。例えば、コミュニケーションの取り方や、プロデュースの仕方、チームビルディングや、ファシリテーションもある。でも、その軸、例えば、メンバーも経営者意識を持つとか、管理職はメンバーの可能性を引き出す役割だとか、そのもっと軸となるのは、一人ひとりがお役立ちの意識を持って、自律的に社会をより良くする仕事をする、そんな組織を創る、ということかなと思いますが、そういう軸が無いと、単なるスキルとして使い方を間違ってぶれていってしまうので、そういう意味で、お役立ち道の果たす役割は、もっと大きくなると感じています。
3.愛社精神か独立心か
ゆーりママ:私の場合は、仕事が本当に好きになってきたのは、独立してからなんですよね。自分が責任を持つ立場になった途端に、次どうしようどうしようって自分で考えるようになって、考えることがどんどん楽しくなって、というのはありますね。会社に勤めていたころは、すごい反抗的な若造でしたから(笑)。さっきの、ティール組織の話じゃないけど、上司のことを僕は単なる役割だと思ってたんで、ずっと前から。「俺は部長だぞ」ってマウント取られた時には、「たかが?」って言いましたもん。こっちは社長意識でやってんですけど、はっ?部長?みたいな。
一同:(笑)
あずき:あります。あります。私もまだ、ひよっこだった頃に、上が決めたことが納得いかなくて、食い下がって聞いたら、上司が窮地に追い込まれたっぽくて、「上司の私が決めたんだ!」って、マジギレされたことがあって(笑)。上司だからなんやねん、って思いましたよ。まあ、こっちも配慮が足りなかったんでしょうけど。
ゆーりママ:僕の当時の上司も、あずきさんの上司も、上からそういう教育や対応を受けてきたんですよね。僕らの世代って、まだ新卒時の就職にそんなに苦労が無くて、バブル期よりは大変だったと思いますが、愛社精神よりも独立心の方が強いのかなと思いますね。もう少し下の世代になったら、就職で苦労してきたんで、働けるだけで満足、給料もらえるだけで満足ですみたいな。
たま:それが、より従順になっていった経緯なんでしょうね。愛社精神も、独立心も、どっちも大事ですよね。
(つづく)
<まとめ>本日の大予測(?)ポイント
1.「お手本絶対主義」はやめる。管理職は「リーダー」ではなくメンバーの意欲やアイデアを引き出す「名司会者(ファシリテーター)」たれ
<付録>押さえておきたいワード
ファシリテーション / ファシリテーター
ファシリテーション(facilitation)とは、人々の活動が容易にできるよう支援し、うまくことが運ぶよう舵取りすること。集団による問題解決、アイデア創造、教育、学習等、あらゆる知識創造活動を支援し促進していく働きを意味します。その役割を担う人がファシリテーター(facilitator)であり、会議で言えば進行役にあたります。(特定非営利活動法人ファシリテーション協会「ファシリテーションとは」, 2024.2.1閲覧)
座談会メンバー紹介
もはや、2024年の予測ではなくなっていますが、あと2回続きます。
以下のサイトから、動画(短縮版)で見ることができます。
お役立ち道ねっと「2024年大予測座談会!(後編)/ 自分らしさ全開でいこう!」
文字起こし & 編集 あずき