全国各地のお雑煮6種を食べ比べ!
昨年に引き続き、品川宿のシェアオフィス&イベントスペース「うなぎのねどこ」にて、お雑煮食べ比べの会を開催致しました。
割と早い段階で満席となり、事前に案内を希望してくれていた友人への声かけが間に合わなかったくらいです。
ありがとうございます!
皆さんも割とそうだと思うのですが、なかなかよその家のお雑煮を食べる機会がないので、自分の家のお雑煮がスタンダードだと思っていませんでしたか?
私は社会人になるまで、我が家のお雑煮が世間一般のお雑煮と違うとは知りませんでしたし、「お雑煮」と言う料理はコレだと思っていました。
ところが、社会人になって同僚と帰省の話などするうちに、我が家のお雑煮がスタンダードではない事を知りまして、さらに割とレアなお雑煮だと気付いてしまい、軽くショックを受けました。
家庭料理、郷土料理ってこんなに影響力があるんだと実感した最初の出来事でした。
教室を始めた頃からずっとやりたいと思っていたこのお雑煮食べ比べの会を、友人の協力もあってようやく一昨年の年末から開催するに至りました。
お雑煮の定義って何だろう?
品川宿「うなぎのねどこ」での開催は2回目で、昨年に引き続き2回目のご参加の方もお越し下さりとても嬉しかったです。
うなぎのねどこのオーナーさんが点てて下さったお抹茶付きでした。
食べ比べの会とは言え、ただ座って食べるだけではなく、調理を手伝って頂いたり、出汁だけを先に味わっていただくワークショップ形式の会でしたので、ご参加頂いた皆さんにはお楽しみ頂けたようでホッとしました。
この6種を選んだのには理由がありまして、そもそも「お雑煮の定義」って何だろう?と皆さんと一緒に考えてみたかったのです。
では、順番にご紹介致します。
1、富山県の一部
友人のご実家、富山県の一部で食べられているお雑煮です。
鰹節と昆布の合わせ出汁にお醤油と酒で味付け、焼いた角餅に椎茸、人参、白髪ねぎ、へぎ柚子。シンプルですが柚子の香りの効いた完成された美味しさです。
2、千葉県下総地域(波葉海苔雑煮)
私の実家のある千葉県下総地域のお雑煮です。
鰹出汁にお醤油で味付け、茹でた角餅に大根と油揚げ。左上の5種類の海苔など(はば海苔、糸青海苔、揉み海苔、鰹節、干葉)を自分好みの配合でふりかけて食べるスタイルで、「召し上がれ」と提供された段階で完成しておらず、食べる個々人が完成させるのが珍しいです。
3、筑前朝倉(蒸し雑煮)
福岡県朝倉市周辺で食べられている茶碗蒸しスタイルのお雑煮です。
昆布、いりこ、どんこの合わせ出汁で卵液を作り、塩とみりんで味付け、丸餅にかまぼこ、ぶり、エビ、しいたけ、ほうれん草、三つ葉などが入った豪華絢爛なお雑煮です。卵液と一緒に蒸してしまうので、お餅の「焼きか?ゆでか?」論争には組み込まれません。
4、香川県(あん餅雑煮)
香川県で食べられているあんこの入ったお餅を使ったお雑煮です。
伊吹いりこと呼ばれる大きないりこ出汁に白味噌で味付け、茹でたあん入り丸餅、大根、人参。甘い白味噌仕立てのこっくりした汁とあんこ餅が意外な好相性で、クセになる美味しさです。
5、福井県の一部(椎茸雑煮)
福井県は質素なお雑煮が好まれるのかとてもシンプルなお雑煮が多いようです。
干し椎茸の出汁に味噌で味付け、茹でた丸餅、椎茸の完全精進雑煮です。椎茸出汁ってこんなに美味しいんだ!と驚かれる方続出でした。ヴィーガンの方も召し上がれますね。
今回ご参加された方の中に椎茸が苦手な方がいらしたのですが、実家の肉厚原木椎茸だったので「食べられました!」とおっしゃって下さり、椎茸が克服出来たようです。良かった!
6、山陰地方(小豆雑煮)
上段中央のぜんざいスタイルです。
甘く煮た小豆に茹でた丸餅。お正月以外で「お雑煮」と言われなければ、完全にぜんざいです。
答えはいずこ?
いかがでしょうか?
「お雑煮とはなんぞや?」の答えは見つかりましたか?
昨年は蒸し雑煮と小豆雑煮をお出ししなかったので、「出汁、餅、具」が揃っている事をお雑煮の定義と考えましたが、小豆雑煮はここから逸脱しており、この定義は使えません。
そうなると、ちょっと乱暴ですが「お正月に食べるお餅の入った料理」になってしまいます。
これだけ自由度が高く、地方色が濃く、地方色どころか家ごとに異なると言っても過言ではない、同じ料理名なのに千差万別の料理は他にありませんし、海外にも無さそうです。
皆さんも是非ご一考下さい!
思いついた暁には、是非コメントにて教えて下さいね。
試作のための食材費や、子供達が使いやすい調理器具の購入に使わせて頂きます!